うちのガラクタ

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

368 見知らぬ町へ






「見知らぬ町へ」なんていうと、なんだか谷口ジロー描く世界のようなニュアンスだけど。展覧会の後片付けの手伝いで、突然ながら一泊二日九州へ行ってきました。<2017年7月23-24日>



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 ● 「見知らぬ町へ」行くのは、やはりどこか旅気分、さてどこに着くのやら・・・・・。

九州なんていつ以来だろう。確か前に行った熊本の時は、まだ2000年になっていなかったはず。
羽田では待ち合わせ時間のみ、展示の片付けとは聞いてはいるけれど、詳しい情報は一切なし。
まずは九州の空の玄関博多空港へ、そこからローカル線を乗り継いで結構な田舎へ行くらしい。

上段 ; この日は二十四節気の大暑、九州はむんむんに蒸してました。博多空港は市内とのアクセスも抜群に良く便利です。
二段目; 福北ゆたか線。JR九州の、車両が意外とモダンな電車です。新飯塚へ。
三段目; 後藤寺線。ローカルの一両編成のワンマン列車(ディーゼル)、車内の扇風機はレトロな国鉄時代のものか? 終駅、田川後藤寺に到着。
下段 ; いわゆる筑豊エリア、車窓より突然現れた大きな工場は炭坑ではなく石灰採掘工場らしい。




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 ● 「田川後藤寺」

あっちゃ~! 「見知らぬ町へ」の儚い期待を一気に吹き飛ばしてしまうような閑散とした雰囲気。
かつては炭坑(ヤマ)で栄えて遊廓まで有したほどの栄華を極めたと謳われたらしいけど。現在列車は一時間に1・2本。
アクセス強化の駅前看板の効果も虚しく、ひろがる駅前のシャター商店街。
う~ん、確かになにもない町です。
シャシャシャ・・・・・・・・・と、この暑い最中に、さらに暑さにに追い打ちをかけるようなクマゼミの狂い鳴き。
そんな寂れた駅のホームで、まずは作業前の腹ごなし。
旅情気分を無理矢理高めるべく博多で買ったかしわめし弁当「大名道中駕篭」1030円でお茶をにごす。



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 ● 「た~んとあります。」田川の魅力を召し上がれ。   田川市

町を挙げてのポスターに書かれた、秀逸なコピーはよいけれど、やはり魅力となるとまた別物か!?

勝手になにもない町の第一印象を振った田川市だったが、実は田川はかっての炭坑(ヤマ)の町であり、市の石炭記念公園内には「石炭・歴史博物館」 (今年のGW連休にリニューアルオープン)がある。
館蔵の山本作兵衛コレクションは、炭坑で働く人々の姿を独特なタッチで詳細に描いた記録画で。
絵としては確かに達者ではないけれど、その独特な作風は一度見たら忘れられなくなるようなインパクトがあり、確かにこの画は以前テレビで見たのか記憶がある。
そして驚くなかれ、このコレクションは、オランダのアンネ・フランクの日記のように、ユネスコ世界記録遺産(世界の記憶)に登録<日本初>されているという。

ホテルの窓から見えていた、にょきにょき2本のあの怪しげな煙突がこの博物館だったのだなぁと納得した。
また、市の美術館にも作兵衛の常設展示室が設けられ、彼の記録画の写真と共にそのシーンに併せた博多人形が展示されていた。(下段)
山本作兵衛は、町を挙げての、いや日本を代表する記録画の偉人なのだった。
そして同様に、ただの寂れた田舎町とは侮れない、田川市なのだった。




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 ● 田川市美術館

田川市には、図書館と隣接して、とても立派な美術館が建っている。
開館時の90年代当初からしばらくは、現代美術家である川俣正とタイアップして様々なアート・イヴェントが行われていたことを知り、さらに一地方美術館にして、あの時代にこの濃い企画がなされていたとは驚かされるばかりだ。

今回の作業はこの展覧会の片付けとなる。
上條作品は、これまで単品では幾度か目にはしていたけれど、さすがに美術館で一堂に並ぶとなかなかの迫力で見応えがある。
パレスチナよりイメージされたオブジェやインスタレーションなど、切り紙風の混合技法でもって自在に表現されている。
互いの作品が連呼し共鳴し合い、独自の世界観を構築している。
また、パレスチナの子どもたちの作品も、見ていてとても活々として色鮮やかで面白い。



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 ● 作業開始!

上段  ; パレスチナの子どもの作品、右は日本の子どもとパレスチナの子どもとの合作。
中段下段; 上條作品


ともかく細々とした部品が多く、各々を丁寧に梱包していく。
展覧会で整然と陳列された作品を鑑賞するのとはまた別の視点で、このような作品に直に触れる作業より、作品の持ち味を感じることも多く、このような実作業はとても楽しい。
特にパレスチナの物品を箱詰めしたようなオブジェには、現地の情報が満載だ。
片付けは、流れを掴めばそれほど神経を使う作業ではないけれども、展示の設営はとても大変だったに違いない。
館のスタッフは皆若く、気さくな館長の指示のもと、てきぱきと動きとてもよい雰囲気だった。



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 ● ミュージアムショップ

ショップでは展覧会図録やカード以外にも、子供用にクレヨンや水彩絵の具などの画材、ほかにもちょっとした小物が販売されている。
どれもがポップでキュートなものばかり。
みていて大人も欲しくなるような文具も結構ある。

「かおノー モンスター」、1080円
「 kakuno」(PAILOT万年筆)、1080円
「色鉛筆」(12色)STABIRO、648円
「はじめてのもちかたクレヨン」、(Faber Casttle)864円



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 ● 会期中の子どもを中心としたワークショップより。

 上段; 「世界にひとつだけの帽子を作ろう!」
上條先生のギャラリートークで展覧会を鑑賞した後、みんなで帽子作り。
紙やフェルトを使ってオリジナルの帽子制作、切ったり、貼ったり、折ったり、工夫を凝らし世界にひとつだけの帽子が完成!

 中・下段; 「わたしってどんなカタチ?」
田川市立後藤寺小学校の体育館で行った出張ワークショップ。
子どもたち(3年生)が上條先生に教わりながら、等身大の自画像を作る。
大きな紙の上に寝ころんで友達のカタチをなぞったり、紙いっぱいに色塗りしたり、普段できない体験にみんな大はしゃぎ。



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 ● ワークショップで制作した自画像をこれから展示。

片付け作業と平行して、美術館のスタッフが今回のワークショップで制作した子ども達の自画像を展示。
各自おもうがままに伸々と身体を動かし、自由に楽しみながらの制作風景が目に浮かぶようで、どの作品も微笑ましい。
パレスチナの子ども達に絵を長らく教えてきた、上條先生ならではの独特の感性が、この町の小学生にもしっかりと伝えられたことと思う。
少子化していく町にあって、やはり子どもたちは未来の財産だ。

最後は子どもの描いた絵を楽しみながら、美術館での片付け作業も無事終了。
田川のイメージは、当初のなにもないから町から、「た~んとあります」にしっかり変わりました。



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 ● 〆はやはりラーメンで!

二日間に亘る作業も終わり、筑豊の小さな田舎町より、博多という大都会に舞い戻ってみるとそのエネルギッシュな熱気に圧倒させられます。

観光無縁の滞在ながら、飛行機に乗る前に、最後にちょこっとだけお上りさん気分。
駅のモールにあったラーメン街道なる、ラーメン店が十余店入った中より選んでみたのが、博多ラーメンの「博多一辛舎」
泡々とした濃厚な豚骨スープに、店オリジナルの「辛子高菜油いため」(激辛)が良く合います。
ビールとともに頼んだ餃子は、一見その小ささに驚かされたものの、具に入っているコリコリとした食感がとても不思議で、問うとナンコツとのこと、ちょっと変わった感じの餃子ながら、食感ともに悪くありません。
本来が道産子らしく慣れで素朴な北海道ラーメンがやはり好きだけど、豚骨ラーメンの細麺がスープによく馴染み、博多ラーメンの美味さも少しばかり理解できた一時となりました。



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 ● 短いながらも楽しい九州でした。

パレスチナの子どもが描いた上條先生(下)は、絶妙なほど先生を現していておもわず笑ってしまった。
最後はそんな先生のバイバイ姿で・・・・・・・・・。さようなら!



もし田川を訪れることがあったなら、今度は是非「石炭・歴史博物館」を観てみたい!! (^-^) 




  1. 2017/07/25(火) 21:55:42|
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