うちのガラクタ

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

365 帰省日誌 旭川







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 ● 石狩太美

丘の一帯にはスウェーデンヒルズという、この太美の駅舎のような建物のスウェーデンハウスばかり集まった宅地があり、スウェーデン人によるガラスや陶芸などのクラフト工房があったりと、なにかと名前の面でスウェーデンにあやかった太美です。
閑散とした駅前のスウェーデン大通りを歩き、防風林沿いの姉宅へ向かう。
新しく加わった茶トラはグラ、2匹となった猫は絵本の題名のように、グリとグラ
サクランボごちそうさまでした。
翌日は姉と一緒に実家へ向かいます。



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 ● 「旭川クラフト展 2017」より

会場は古い煉瓦倉庫を改装した、デザインギャラリー / チェアーギャラリー。
メーカー、プロの作家から学生までと80名ほどの作品が展示されています。 <6月24日>
陶芸、ファブリック、ガラス、革細工・・・・・・・・と様々なクラフトがみられるけれど、
やはり何といっても一番多いのが、木のまち旭川らしい木工品です。

本年度より工房を開基したD君の作品(左3段目)の出品を観に、会場にいた彼の背を後ろからサプライズでつつくと、「あれっ、どっしたの~」となんともとぼけた彼らしい反応です。
出品されているのは、昨年準備中の彼の工房で見せてもらい試作中だった、表面を焼き杉処理して仕上げたレターケースに、ペーパーコード座面のスツール、鍋敷、一輪挿し。

D君の工房の様子は、ブログ№292 野中の工房
を参照下さい!

あらたにスマホ・スタンドが加わり、これが一番の人気商品らしい。

以前学校で木工を教えていた彼らしく、その仕上げなどポイントを押さえた適切な解説を聞きながら、ひとつひとつの作品を鑑賞していくと、作品の見え方がまるで違ってくるから不思議です。


右下; 一見ただ座布団が載せてあるようなスツールは、アート・クラフト・バウ工房の「木ション・スツール」。

精度ある指物技術とシンプルに洗練されたデザインの家具づくりで定評のある作家で、むかし彼に案内されて一度工房を訪ねたことがあります。
今回は会場に一緒に展示されていた、新作の2ウェイの”ロー&ハイ・チェス”トばかりに目が入ってしまいましたが。
スツールのサテン布の黄色の座布団とおもっていた部分も、実はすべて木でできている。
キハダでしょうか、座面の色鮮やかな黄色も天然木の地色で着色は一切なし、四角の模様の部分も黒色材にかえて木象嵌の仕上げです。
一度丁寧に内刳りしてから、再度合わせて違和感ない座布団に仕立てあり、どこでどう継いであるのか一切見当がつかないほどの精巧なつくりです。
内刳りすることで、その見かけによらず片手で楽々持ち上がる、その軽さとなめらかな感触に驚かされます。


指南役の解説がつくと、鑑賞も倍増されて面白い!



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 ● 「旭川クラフト展 2017」より

上段; むかしから馴染みのあるようなものが、このような挽物細工の木盆や、北海道らしい木彫りの熊の置物。
横文字のクラフトというよりは、どこか土臭く木工品というニュアンスが強い商品です。
木彫りの熊なんてなんとも古くさいと思いきや、実は現代のマトリョーシカやこけしなどの”かわいい”ブームもあってか、ともかくアジアからの観光客に絶大な人気で、供給が追いつかないほどの一押しの再ブーム商品なのだとか。

左中; メーカー在勤の若手による自主出品コーナーも目を惹きます。
メーカーで培った確かな技術と独自のアイディアを盛り込んだセンスあるデザイン、モバイル的な小物が多く並んでいます。

下段; プラン・ド・ハウス / エフ・ドライブデザイン
どこか美大でのプレゼンを思い出してしまうような商品ですが、つい気になり見てしまったもの。
このメーカーは、家具やコントラクト家具の製造工程で生まれる余り材を活用した”雫木KUZUKI”シリーズなどの紹介するとともに、今回はデザイナーとジョイントして新たに生みだした”DIYカトラリー”という新アイテムは、「削って、仕上げて、自分で作る、木のスプーンとフォーク」をコンセプトにしたもの。
スプーンやフォークの先があらかじめ機械仕上げされていて、鉈割の自然な姿に割裂した柄の部分を小刀で自由に仕上げるというもの。
サンドペーパー、仕上用のオイル(小瓶入)、拭き布がセットになって、各1674円(税込)。
一枚の板から自分で作る「Ki-Ita[キイタ]」という木のスプーンとケースの、イラストの商品もあります。
手作り品が温もりを伝えるという点と、セルフビルドの要素に目をむけたロハス的な商品は現代のニーズに適っていますが、アイディアの遊びの部分が価格のすべてであるようで、財布を開く気になれません。

友人の作るレターケースで、節材の捨て材となる部材の活用を目指し、西日本の民家などに見られる伝統的な焼き杉技法に倣い加工する工夫は、余材や廃材といったかたちで無駄に枯渇していく資源を見直す面で見習いたい要素を多く含んでいますが。
木材は生きた材であるため、作り手は、やはり適所適切な部材の加工と使用が効率的には一番理に適っています。
それでもこのメーカーのように、廃材を使用物に転用させる工夫は評価したいとおもいます。


クラフト展で一番の売上げがあったのは、合板を機械でレーザーカットして透かし彫りを施した時計の文字盤(先の写真の左から2段目)のブースで売られていた、同じ技法の透かし飾りのコースター(一枚数百円)であったといいます。
やはり一般的には、お茶代感覚で財布に負担がなく、それでいて使用頻度があり、毎日使っていてもちょっとしたお洒落感覚で満足できるような、普段使いの小物に絞られるようです。

自分の場合も同様に、以前木工のまち東川の道の駅で売られていた、一本百数十円の木製鉛筆ホルダーを求めたことがあります。
いわゆるちびた鉛筆でも最後まで使い込む軸差しですが、一本ずつのロクロ仕上げで樹種の木目や感触が楽しめること、握り具合がどれもが微妙に不揃いな点、そしてその廉価さがポイントとなり数本まとめ買いしました。
最近では2B以上の柔らかい鉛筆が好みですから、ちびて不細工になった鉛筆でも、この木製ホルダーに納まるとそれなりの風情を見せ、最後まで使い通せて気に入っています。
販売されていた同じ工房のほかの木工品は、残念ながらありふれていてどうでもいいようなものでしたが、この廃材になる部材を転用したと思われる鉛筆ホルダーだけは、さらに別の樹種のものを余分に求めたくなるほど気に入り評価が高いです。
家ではレトロな真鍮製の鉛筆ホルダーも使っていますが、真鍮製の秀でたその機能よりは、木製ホルダーのほうが手の馴染みが良く、使い込むほどに木の表情が育ち、近ごろではもっぱらこれオンリーです。

使い手と作り手との相互の関係性のなかで高められていくクラフトの世界は、両者のバランスが合致して、はじめて商品としての価値が生まれる世界です。
一生ものを大切に使うというのであれば、クラフトに聡い人は、こういった展覧会会場で一目惚れして作品を求めるというよりは、やはり常に張り立たせているアンテナのなかから、選びに選び抜いた末に、高価な製品を満足して手に入れるケースが多いのではないでしょうか。
それとは別に、このようなフェアでは、ひとつの空間で多くの製品を見比べてみる醍醐味があります。
比較してみることで広がり、見えてくる世界があります。
自分の場合は欲があっても、自分の生活空間にどのような製品が一番適っているか、その分は心得ていますので、会場に展示されている製品のそれぞれがいくらグッドデザインであっても、その面では一向にこころがなびきません。
個々の好みや愛着度など様々な要素が絡み、実用品は機能やデザインがいくら優れているからといって、誰もが総て同じものになびくことはありません。
クラフトマンとしての作り手は、常により良い製品を目指しますが、それを商品化していく上では多くの壁があり、知人の話を聞きながらクラフトとプロダクトの両者の関係について考えさせられた一時でした。
そんな点も考慮しながら、展示会場でゆったり椅子に座り、チェストの引き出しを開け、小物を手に取り、その作りと感触を楽しみました。
普段馴染みの薄いクラフトの世界ですが、今回は友人という指南役がつき、じっくり堪能できて大正解でした。



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 ● 「国際家具デザインフェア旭川」

翌日は、D君に案内されてIDFA展へ行ってみました。<6月25日>

近年駅舎だけは立派になった旭川ですが、大型ショッピングモールのイオンにすっかり押され、駅前にあったデパートはすっかり閉店してしまい、町の中心部は歯抜けさながらの閑散とした状態です。
むかしは日本初の歩行者天国を実現し、由緒ある活気に満ちていた目抜き通りが、いまでは人出がそのままなくなって、自然と歩行者オンリーとなってしまったような寂れ具合です。
観光の面でも、市外の旭山動物園だけ見れば事足りてしまう状況で、アジアの観光客の視点では、中途半端な田舎の地方都市に滞在するよりは、北海道らしいイメージの自然溢れる美瑛や富良野を観る方が楽しいに決まっています。
日本の地方都市が直面している生活の場と都市の機能を切り分けた変換現象、中心部が空洞化して活気を失った町並みが近年は特に顕著となり、問題視されています。

市にあった芸術の丘(ユーカラ織り工芸館、国際染織美術館、雪の美術館)でも、随一残されたのが雪の美術館のみ。
雪の美術館は、建物だけはヨーロッパ的な洋館を模し、うわべだけは高貴なイメージを醸し出してはいますが、美術館としては中途半端な展示内容の張りぼて館の印象が強いです。
それでも、館内で零下の温度が体感できるブースは、単純に雪や寒さを知らないアジアの国からの観光客にとっては、いまだに面白いアトラクションなのかもしれません。
新工芸品として興された、草木染めの毛織物のユーカラ織りも、開館から長らく時を経た現在では、単なる野暮ったい織物にすっかり成り下がってしまい、まるで新鮮味がありません。
そのスタートは順調だったものの、いまでは日本各地に、似たような工芸館が溢れてしまっています。
この丘に最初に建ったユーカラ織り工芸館はともかく、国際染織美術館では、このような地方都市にあって、世界各国の希少な染色資料が見学できて、布好きとしてはその充実した内容がそれなりに気に入っていたのですが、この度閉館を知りとても残念です。
観光のスタイルも、現在では大きくお金を落とすか、一切お金をかけないか、すっかり二極化しているように思えます。

駅裏周辺や、かつての鉄道区、河川敷などをすべて小綺麗な(当たり障りない姿に自然を一切排除してしまった)公園に変える開発を進行中の旭川ですが、どこか老衰した町のイメージが強くなったように思います。


・・・・・と故郷の町に対して少々愚痴ってしまいましたが。

ここでようやく”IFDA”です。
IFDAとは、”INTERNATIONAL FURNITURE DESIGN FAIR ASAHIKAWA”の略称で、「国際家具デザインフェア旭川」のこと。

1990年、新しい生活文化の提案と発信を目的に始まった、3年おきの家具展も、30年の時がたち本年で10回展を迎えました。
メイン事業のデザインコンペティションには、合計で世界の75カ国・地域から8,841点の応募があり、製品化された作品は50点に及びます。
家具・クラフトの技術革新を進めると同時に、旭川地域にデザイン意識や国際的な視点、幅広い人脈を育んできました。

会場は旧家具センターをこの度、 「旭川デザインセンター」としてリニューアルオープン。
6/21-6/25の5日間のさまざまな関連イヴェントのなか、最終の2日間は一般開放デーということで、どうにか最終日の見学が果たせました。
さすがに国際イヴェントとして人出も多く、ショールーム・コーナーもあるため、結構な活気です。
このフェア、随分昔に初期の頃に一度観たことがありましたが、そのときはまだ市のアリーナで開催されており、白昼のようなフラットな照明に晒されて、会場も広すぎでなんだか田舎の大らかな物産展のような雰囲気でしたが。
こういったスポット効果も演出できる会場で展示されると、同じ家具を見ても印象ががらりと変わりぐっと高級に見えます。

左 ; デザインコンペティション入賞入選作品。
右上; 入口はシンプルなデザイン、ガルバリウム鋼板に白文字のファサード。
右下; IFDA30年の軌跡展。過去のデーターと入賞作品が並んでいる。



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 ● 「国際家具デザインフェア旭川」

<左上より>
審査員プロフィール、8名の審査員のうち半数が外国人(シンガポール、デンマーク、スウェーデン、ドイツ)。
第1回展(1990)の受賞作品。
新しい生命への贈り物 「君の椅子」プロジェクトは、旭川市の子供の椅子の公募展。
前回9回展(2014)の審査の様子。
過去のコンペティション入賞者によって新たにリプロ製作された椅子(2点)。
20代30代の若手のユニットによるメーカーが誕生。
著名なデザイナーとコラボして作品をプロデュースするメーカーも増えている。
会場に併設された日本茶カフェUSAGIYAでは、会期中にボトルラリーを開催。



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 ● 「国際家具デザインフェア旭川」 各メーカーのショールームより。



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● 「国際家具デザインフェア旭川」 D君の解説を受け。

クラフト展と同様に今回もD君の細かな解説付きで家具を見る。
その場で思ったことを彼に訊きながら実物に接すると、IFDAのあらましや、審査基準の変遷、受賞作品の傾向などの裏話しも多く、作品として見るのか家具として見るのか、その視点によって同じ家具であってもまるで別物に見えてくるから、まったくもって不思議です。
メーカーの得意とする製品や傾向など、その総てに通じていて、その知識の豊かさはさすがプロダクトデザインを学んできたD君と感心する。
自分の場合は、美術館で作品を見るように、感覚的にそのフォルムとしての美しさと愛着性を家具に求めてしまうので、技術・生産性・価格などの要素も考慮して総合的に家具をみる彼の見方が、とても新鮮でした。
椅子などもその見かけの良さだけでなく、どのように座るのかどれぐらい座るのか、その状況によって発揮される椅子の機能が異なるといいます。


写真の2件も、彼の説明から”なるほど”と感心したもの。

上; JBLの大きなスピーカーの上にぽつんと置かれていたのが、(株)ササキ工芸のこのサウンドシステム。
音響学的にも緻密な計算と設計がなされ部材が正確に加工されている、ただの木の箱とはあなどるなかれ、スマホの音楽も高級オーディオで聴くように増幅されるから驚きです。
サウンド・ボックスのその技術は現在世界のトップクラスといわれている。

下; 工房ぶなのスツールは、一見どこにでも見かけるような変哲のないデザインですが、実は脚部分の細材の固定に凄い技術が隠されている。
精査した部材をMAXまで切詰めることにより、椅子全体が軽やかなイメージを醸しだす。
スツールは、片手で簡単に持ち上げることができ、実際のその軽さに驚かされる。
よく見ると、椅子全体に微妙なテーパーがかかり、座面裏に手がかり用の窪みが彫られている点など、ちょっとした仕様にも共感がもてるなかなか凝ったデザインです。


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 ● 「国際家具デザインフェア旭川」より「木と暮らしの工房」

D君の小さな工房は東川にあり、その大家が「木と暮らしの工房」で、ここの敷地内に間借りしているかたちで隣接している。
彼の工房にはトイレがないため、大家であるここのバイオトイレをその都度借りている。
昨年ここのトイレを借りた際は、丁度むかしの衣裳箪笥の修理中で、表面をペーパーがけして塗装を落としている最中でした。

「木と暮らしの工房」は「なおすこと、つくること」がテーマ。
家具の再製を手がけて15年、その数500件以上といいますから、凄いものです。
モダンな家具で溢れている会場にあって、ひときわ目を惹いたのが、新作品とともにここのブースになにげなく置いてあったライティング・ビュローです。
むかしの特注品とおもわれる美しいデザインのライティング・ビュローを再製したもので、その修理の写真も併せて展示しています。

愛着を持って長く使い続けることに豊かさを感じる、そのためのお手伝いをする。
今年はお客様が使わなくなった家具を引き取って修理し、他の人の思いと一緒に引き継ぐプロジェクトを進行中という、
この工房の姿勢を高く評価したく思います。


D君と一緒にこのフェアーを観れてとても充実した一時を過ごせました。
自分一人で来ていたら、簡単なながら見で終わり、多分今回の3分の1ほどの滞在時間だったのではないかと思います。
くらしのなかの家具のありかたは、その時代、その空間、その暮らし、そして個人によって各々異なることでしょうが、家具は大切に使えば一生ものの道具であり、家財道具のなかでも特異性が高いものといえます。
その用途や機能の面を賄うだけならば、どんなものでも事足りますが、住空間に鎮座して主張し、家具はけっしてそれだけでは単純に済まされない側面をもっています。
「国際家具デザインフェア旭川」では、国際フェアということもあってか、やはり家具のモダンさを主張した製品が多かったように思います。
デザイン性を高め未来を見据えるその方針は、産業界にとって健全な姿勢ではありますが、留まることを識るような、そんな長らく飽きずに使え愛着がもてる家具が自分にとっては理想的なのだと、今回多くの家具を見ながら感じました。
スタイリッシュなデザインの製品が、どれだけ暮らしのなかに受容できるのか。
残念ながら今回フェアで見た家具は、お洒落で優れた家具とは感じるものの、実際に自分の生活空間に取り入れてみたくなるほどのものが、ほとんどありませんでした。
家具を見ることの接点も、これまでは北欧の名作椅子や近代デザインの秀作品、民具や民藝としてのものと、鑑賞的にも偏っていましたが、このようなフェアで現在の家具の状況を見比べてみることも、とても面白いと感じました。
同時に、時代の推移と共にその暮らしぶりも変化し、家具に要求される点も大きく変わり、より多面的になってるのだなぁと感じさせられました。
このフェアで多くの家具に触れ、改めて自分なりに家具を見直すことができてよかったです。




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 ● 「旭川市博物館」

墓参で神居の墓地へ行った帰り道、博物館を見てきました。
平日にもかかわらずスーツ姿の凄い人出で、なにかと思ったら付随するホール会場で放射線学会なる大会が開催されていました。
博物館のほうは、依然まったく変わっていない展示内容ですが、かって知ったる同じものを見ても、その時々で興味の持ちかたが微妙に変わるのが面白いです。
ここでの興味の対象がアイヌ・考古・民具が中心で、どうしても地質・自然などを簡単に流してしまう傾向にありますが、今回は自然展示でフキバッタに目が留まりました。
フキバッタは、皮膚に独特の艶がある退化した翅をもつバッタで、ケースに納められた干からびて変色した昆虫標本を見ながらも、子供のころの虫捕りでつかまえたその感触が蘇りました。
高山帯のみに生息するのが、 ダイセツタカネフキバッタ(Zubovskia koeppeni) で、前翅後翅共に完全退化。
平野部に生息するのが、 サッポロフキバッタ(Podisma sapporensis) で、高山帯では地域によって前翅の長さに変異が見られると解説されています。
ただのフキバッタと思っていましたが、どうやらサッポロフキバッタだったようで、サッポロという地名が学名に載るほどの地域性のある昆虫だったのですね。


<写真;左上より>

開拓使小屋再現展示より、継ぎだらけの上着。
展示室の吹き抜けには、樹木標本がそびえてている。
地下階は円形型の展示構成となっている。
むかしの暮らしの写真より、リヤカー曳きに付きそう子供が愛らしい。
自然展示コーナー。
むかしの家具製造所の写真。
戦時中の民具。
気になったフキバッタ標本。
軍部で用いられていた立派な橇。




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 ● 「旭川市博物館」  先住の民アイヌの歴史と文化 展示より。

博物館の1階の展示室部分は、開拓使の再現小屋以外は、アイヌ資料によって構成されている。
導入口には、チセ(住居)の再現がなされ、大陸や日本などと活発な交易をくり広げ複雑な社会を生みだしてきたアイヌの歴史、多くの民族資料、さらに文化の伝承と創造に取り組む今日の上川アイヌの姿を、各々コーナー展示している。

とくに民族資料展示コーナーでは、ふるい時代に収集されたとおもわれるアイヌ資料や周辺の北方少数民族資料が豊富で、両者の関係性が生活道具の細部にまで影響し合っているようで、見ていてとても面白いです。


<写真;左上より>

天井から下がるスクリーンに印刷されたアイヌの姿はどこか幻想的。
美しい首飾り。
40年ぶりに市内の川を遡上した鮭の標本。
奉酒箸には緻密な模様が施されている。
新工芸として生まれた木彫り熊、初期のものはより素朴なかたちをしている。
骨を象嵌し彫刻した北方少数民族の小刀。
太布で織られたアイヌの衣裳。
助命を乞うてワシの羽をさしだす蝦夷。「聖徳太子絵伝」太子10歳の場面、鎌倉時代後期、愛知県安城市本證寺蔵。
トナカイ皮に刺された北方少数民族の美しい刺繍。
アイヌの住居を再現した展示。
猟で用いる鹿の寄せ笛。
鍛冶のシーン




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 ● 「旭川市博物館」 考古展示より。

今回の帰省では、恵庭の資料館を皮切りに見てきた考古資料では、縄文時代以降、続縄文・擦文、ほかにもオホーツク文化の影響と独自の時代を迎える、北海道で見られる土器類に興味が湧きました。
博物館でのお目当てもこの考古コーナーで、土器をいま一度見直してみることにしました。
展示されている土器の多くは、旭川周辺以外のもので、特に江別市出土の続縄文時代(弥生・古墳時代に相当)の一群は、その独自の彩色や文様パターンの豊富さに興味を惹かれます。
江別出土の土笛は、よくある弥生時代の卵形ではなく、細長く斑模様で覆われていて、この笛での演奏実験の音も楽しめる展示となっていて、そちらも面白いです。
また、展示ケースの右端に並んだ続縄文時代のちいさな土器の一群は、函館、余市、恵庭、江別、旭川、釧路、斜里など道内各地から出土した「ミニチュア土器」といわれるもので、小さいながらもどれもがとても精巧な作りをしています。
アスファルトの樹脂がこびりついたり、煮炊きのあとが残るものもあり、なかには紐を通すためか穴があるものもあります。
ままごと的な遊びにというよりは、なにか特別な用途のために作られたようで、ちいさいながら面白く見応えのある資料です。


<写真;左上より>

展示ケースにずらりと並んだ土器。
土器、縄文時代晩期
土器部分、縄文時代中期
土笛、(江別市出土)
土器、続縄文時代(江別市出土)
ラッコ彫刻(占守島)
捻れたような独特な形態の土器、縄文時代晩期(岩内町出土)



長々と綴った今回も、博物館やギャラリー見学ばっかりで、どこが帰省日誌かと思われますが、次回でこの日誌も最後ですのであと一回だけお付き合い下さいませ。


故郷で開催中の国際フェア、ひさしぶりにこういった催事を見て楽しかったです! (^o^)  



 
  1. 2017/07/17(月) 10:35:28|
  2. 雑 閑
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