うちのガラクタ

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

361 帰省日誌 恵庭






郷里に帰省していました、しばらくぶりのブログです。
今回の北海道は千歳IN。
昨年観た北海道埋蔵文化財センターの展示では、恵庭市のカリンバ遺跡出土の漆製品などの一部が紹介されていたのを思い出し、札幌へ向かう途中の恵み野駅で途中下車。
カリンバ遺跡の遺物を所蔵する、恵庭市郷土資料館へ寄ってみました。



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 ● 「恵庭市郷土資料館」 北海道恵庭市南島松

各駅停車の恵の駅下車、郷土資料館へは約2㎞。
この駅で下車したのも今回が初めて、北海道らしい車道のようにだだっ広い歩道をちんたらと歩くこと30分、ようやく郷土資料館に到着です。



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 ● 「カリンバ遺跡資料」収蔵陳列室

カリンバとはアイヌ語で「桜の木の皮」という意味。
カリンバ遺跡は、カリンバ川が流れる低地面と、それより2~3mほど高い段丘面に残された縄文時代から近世アイヌ文化期の遺跡です。
とくに、縄文時代後期末から晩期初め(今から約3000年前)の頃の漆製品を多数納めた合葬墓は、全国的にも珍しく、平成17年に国の史跡に指定される。  

『 赤いウルシのアクセサリー ~縄文時代で最も豪華な墓~ 』 のキャッチフレーズで土抗墓の副葬品、装身具などが展示されている。

3,000㎡ の発掘区域に300基を越える縄文時代の土抗と5軒の竪穴住居跡が確認。



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 ● 漆の装身具は、朱色も鮮やかに残り見応えがある。

おもな副葬品のうち、漆製品では櫛52、頭飾り・額飾り10、耳飾り7、腕輪33、腰飾り帯2が出土。
ほかにも、滑石・琥珀・翡翠製の勾玉や小玉の飾り玉、赤く彩色した土製の玉などが多く出土。
イラストの図からも解るように、櫛や腕輪などの豪華な漆製品のアクセサリーを多数纏い埋葬された様子が伺える。
櫛や腕輪など多種に及ぶ装身具は、いずれも透かしなどにみる装飾文様が微妙に異なっており、縄文人の豊かな感性と想像力を感じることができる。
左上2段目の漆器の頭飾りに見られる白い三角形はサメの歯。
体長約5mと推定されるホオジロザメの歯(2.6×2.4㎝)は額飾り「ヘッドバンド」として用いられたが、漆器が漆部分のみを残すのと同じく、サメの歯は表面のエナメル質が薄皮のように微妙に残されている状態だ。

赤いベンガラが一面に敷き詰められ、赤やピンク、朱色の漆製品が色鮮やかに出現したという墓は、縄文人の赤い色に対する特別な思いが感じられるようで興味深い。
縄文の漆器製品も、これだけの数が一堂に揃うと、その展示に圧倒される。
また展示では直径1m半ほどの土抗墓の実物模型も2基並び、写真パネル以外にも副葬品の出土状況がより良く理解できるよう工夫されている。



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 ● カリンバ遺跡出土の土器類

上; 注口土器は、注ぎ口の下に施された玉状飾りがどこか男性器表現のように見えてしまう。
下; 80基墓の上からさかさまで出土した壺。



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 ● 常設展示室 第2部 先住の人びと

恵庭に人が住み始めたのは約7千年前。
縄文文化、続縄文文化、擦文文化と、土器のかたちや装飾も北海道ならではの地域性がみられ興味深い。
中下; 土器に描かれた模様。 北大Ⅱ式土器 続縄文時代後半 ユカンボシE遺跡。
下 ; 手形付土製品 縄文晩期 柏木川4遺跡 (恵庭市指定文化財)



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 ● 常設展示室 第3部 アイヌモシリ

13世紀頃、擦文文化がオホーツク文化と本州や大陸の影響を受け、アイヌ文化へと移り変わる。

イナウ(削り掛け)、丸木舟、岩窟のヌササシなど



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 ● 常設展示室 第3部 アイヌモシリ

衣服の素地(古着)、漆器、タマサイ(玉飾り)のガラス玉など、交易によってアイヌにもたらされた物も多い。



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 ● 常設展示室 第4・5部 大地をひらく・村から町、そして市へ

トンビという独特な開墾鍬や蛸足式播種器など、北の大地を拓く地域性を感じさせる民具も多い。
くらしの再現コーナーで展示されていた箪笥は佐渡箪笥。
切り出した木材の運搬用のインクライン模型が目をひく。
婦人倶楽部12月号附録の防寒毛織物全集には、カンダハー式スキーを手にするニット美人、手に穿くミトンがお洒落です。


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 ● 常設展示室 第4・5部 大地をひらく・村から町、そして市へ

左上; バター攪拌機
右上; 貝皿(戦時中の代用品)
左下; 陶製おろしがね(戦時中の代用品)、魚油の石けん(戦時中の配給品)
右下; 洗濯板

木樽に牛乳を容れてベルト動力で回転(チャーニング)させるバター攪拌機。ホタテ貝の殻をそのまま転用した食器。洗濯板には木枠の桟にネマガリダケを指した作りなど、どこか北海道的な民具もみられた。

陶製おろしがねは、どうやら過去ログに載せた日本海軍マーク付のおろしがねと同様のものと判明。

**ブログ№303 銭コがあると 
http://utinogarakuta.blog.fc2.com/blog-entry-303.html



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 ● 色や模様がそれぞれ異なっている漆の櫛。

縄文時代の土器をみていていつも思うのだけど、それぞれの地域と時代の型を継承しながらも、各々は、それぞれかたちが微妙に異なっていてまったく同じものがない。
漆の櫛の透かし模様も同様に、似ているけれどどれもが違ったデザインになっている。
これまで、縄文時代の漆器櫛では、若狭で鳥浜貝塚出土の櫛を観たなど、数点単位でしかみたことがなかったけれど。
今回このカリンバ遺跡出土の漆製装身具が一堂に観れてとても満足でした。
縄文人の漆の植物利用はどのようなものであったのか、そんなことを想起しながら、実物が残りにくい遺物の木製品や繊維・編組品などをみる楽しみが増しました。
同じ遺跡の出土であっても、漆製品の色に微妙な幅(或いは保存の問題か?)があったりと、実物を前に考えさせられること色々で、大変勉強になりました。
史跡カリンバ遺跡は、JR恵庭駅前(北へ800m)のカリンバ自然公園にあるので、次回千歳空港利用の際は是非寄ってみたいものです。




カリンバ遺跡出土の漆製品、お勧めです!! !(^^)!  







  1. 2017/07/08(土) 20:47:36|
  2. 雑 閑
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