うちのガラクタ

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

348 日曜散歩







このところいっきに夏日、この間の第3日曜日(2017年5月21日)は、久しぶりに高幡不動尊の骨董市へ行ってみました。



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 ● 高幡不動尊骨董市       東京都日野市

初夏の陽気の爽やかな朝、家からママチャリで小一時間 7時半に到着。
余所のイヴェントと重なっているのか、お店の出店もどこかまばらで閑散としている院内です。

ある世代にとっては懐かしのサントリーウィスキー「ウッ、サントリー!」のコマーシャルの掛け時計(100円、左上)。

酒袋のような素材の靴下型の布袋は、その昔軍隊で使用したという馬の口輪袋(右上)。

使い込まれた飴色で、結構いい感じに育った提げ籠は、岩手の鳥越のスズタケ細工の「トウフカゴ」。
柔軟なスズタケを、底六ツ目、側面ゴザ目と編み分けて、提げて部分を三角形の幅広に強化した独特な意匠のこの籠は、確か民藝運動の推奨もあったはず。
1,000円の値は、かなりお買い得価格ながら、残念ながら柄巻き部分の一端が僅かにほどけています。
普段使いの盛り籠として、いまの暮らしにも難なくとけ込める勝手のよさがあります。
価格は更に2割ほど勉強してもらえましたが、結局見送ることに(左中)。

どこかの蒐集家から流れた品か? 郷土玩具の土天神各種(中央)。

緻密に編まれたピクニック用の籐バスケット(4,800円)、
ネマガリ竹製のリンゴカゴ(3,500円)は長野の戸隠あたりのものでしょうか?
近ごろでは都内でも、この手の籠を小粋に提げたお洒落な女性をみかけます。(右中)。

水で湿らせ、その気化熱で涼を得る、季節柄風流な水団扇(1,800円、左下)。

陶製のものはよく見かけますが、こちらはどこかのブリキ職人が手すさびで作ったものか、ブリキ細工の「鶏の餌乞れ」(1,500円)。
この手のちょっと工夫した製品は、自分的にもその素材感や、かたちを見ていてもやはり面白く、とてもそそられます。
しかしながら、この品は冬場の市からの売れ残り品(中下)。

化学の実験器具も好きなアイテムのひとつです(右下)。



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 ● ジャンクなお店。

ビルマの操り人形と干からびた鰾(エイ)。
医療器具。
空き瓶に液浸け標本となているのはハツカネズミなのか? よく見ると人為的に角が付けられています。
「河童の甲羅」というその大胆なネーミングに惹かれ、覗いてみると、どうやらスッポンの甲羅でした。

いつもながら、はちゃめちゃなジャンク品がひろげられたお店。
店主は、剥製や骨、ジャンクなガラクタを合体させた独特な作品も作っている”マンタム”。
チェコのアニメ映画監督、ヤン・シュヴァンクマイエルとも、何故か交流があるという不思議な御仁。
来月は、国立西洋美術館で『アルチンボルド展』が開催されますが、シュヴァンクマイエル作品にもアルチンボルド風の作品がありますし、マンタムにもどこかそのような風情が。
この店でも以前、虫かご、塵取、スピーカー、医療用足踏みゴミ箱、その不思議なかたちに魅せられて、まるで鰐挟みのような錆びた「井戸さらえ」などを買ったりしたことがありました。
周囲のお店に較べ、ジャンク好きには時としてヘンな物に出会える率も高そうです。


ブログNo.246 おちんぼりをこく




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 ● 「フック」    白磁製     55×幅22×高さ62ミリ。

件のトウフカゴには幾分惹かれたものの、この日の購入は、結局このフックのみ。
まるで小学生のように小銭を握りしめての、いつもながらの100円買い。
普段は日本軍ものを扱う業者の場所ですが、この日は初めてみる若い女性の店(写真上)に替わっていました。
小汚い木箱に詰められたガラクタと一緒にあり、煤で汚れていましたが、洗うとぴかぴかに。
このような白磁雑具も結構好きです。
店の路傍には、珍しい八重咲きのドクダミが咲いていました。
来月の市では、院内は、鮮やかな紫陽花が開花して見頃となるのでしょうが、ドクダミのような清楚な花もそれなりに綺麗でよいですね。



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 ● 北山公園     東京都東村山市。

高山不動尊の後は、来た道を戻り更に東村山へ移動。
東村山のHさんと待ち合わせして、狭山丘陵にある北山公園へ。
北山公園は、丘陵脇の斜面の湿地の特性を活かし、田んぼや蓮池、さらに菖蒲園などある自然豊かな公園です。
日曜日のこの日は、家族連れで、公園の用水や小川で、タモ網を持って小魚やザリガニなど採っている姿を随分見かけました。

菖蒲のほうは、既に早咲きのものが開花してますが、まだ全体の1割にも満たない具合です。
菖蒲の移植は、以前と比べ、種類毎に綺麗に畝を作り区割りされており、あまりに整然とした感じがしますが。
それでも、来月の「菖蒲祭り」の頃は、各種繚乱し、祭りの出店で賑わいをみせることでしょうか。

池の端から聞こえてくる「ボーッ・ボーッ」と低く太い嘶きは、ウシガエル。
そのカエルの姿は芦に囲まれ確認出来ませんが、ウシガエルの巨大なオタマジャクシがあちこちに泳いでいます。

白いエゴの花や、白から金色へと移りゆくスイカズラの花(左下)も綺麗でした。



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 ● 「勝味」     東京都東村山市。

付近のお店通のHさんと共に、お昼の武蔵野うどんの店を巡るも、この日は日曜日ということもあって、どこも休店ばかりです。
結局公園より随分離れた住宅街にある「勝味」に決定。
古民家風の店内に、立派な石庭もあって、喫茶店感覚でくつろげるお店です。
写真のうどんが、「勝味うどん」天ぷら4種盛り付きで750円。
洗面器のような大ぶりの陶器の鉢に盛られ、見た目も綺麗で量もあります。
麺は小町流。還元水・あら塩・米酢・卵・酒で加水液をつくり捏ねて製造した、しっかりと腰のある麺で、小麦の甘い旨みも感じられなかなか美味です。
つゆも、麺同様にこだわりのある素材配分でコクがありますが、自分としては少々甘めでしょうか。
お昼を終え、お腹もすっかりくちくなったところで、再び公園方面へ向かいます。

途中で、市の博物館施設「八国山たいけんの里」へ寄ってみます。
この館は、付近の低湿地帯遺跡の遺構より出土した、縄文期の木製品、編組製品、漆の活用が確認できる土器や木器などの資料を、豊富に収蔵展示した施設です。
収蔵庫の棚に置かれた考古資料を、アクリル板一枚越しではありますが、ともかく間近にじっくり観ることができ、身近な感覚で触れられる点がとてもよいです。 



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 ● 考古と自然のコラボ講座「縄文人の植物利用」 八国山たいけんの里

館を訪れてみたら、丁度特別講座が開催されており、飛び入りながら参加させていただきました。
この日は第1回目「 縄文の塗料と接着剤 ウルシ 」です。
このコラボ講座「縄文人の植物利用」も、本年で3巡目。
かって、千葉の国立歴史民俗学博物館主催の共同研究シンポジウム「縄文人の植物利用」(左上写真の本)に、ちなんだ内容で構成されています。
受講者も、小学生の子供から大人までと幅広い年齢層を対象として、考古学独特の専門的用語も、誰でも比較的解りやすい言葉に置き換えて解説されていました。

多くのスライドを上映しながらの解説。
概要として、日本各地から出土した縄文期の遺跡遺物の凡例。
ここ東村山市の下宅部(しもやけべ)遺跡は低湿地帯遺跡特有の性質で、その土層成分がバクテリアなどの有害な浸蝕を防御し、通常では残ることすらありえない木製品や編組品の遺物が、奇跡的に多く見られる点に特色があります。
下宅部遺跡から出土した漆塗り木製品には、弓(約3500年前)や匙などがみられます。
同じような低湿地帯遺跡である、福井県鳥浜貝塚出土の「赤色漆塗り飾り櫛」(約5500年前、縄文前期、1961年出土)は当時は日本最古の漆製品と云われていました。
その後の発掘成果で、更に記録が更新され、近年では北海道 垣ノ島B遺跡「土墳墓からの漆塗装飾品」(約9000年前)なども出土しています。
また鳥浜貝塚出土の縄文草創期(12600年前)のウルシ材は、木材としては世界最古のウルシ材とされています。
日本に生育しているウルシの仲間(ウルシ属)、ヤマウルシ、ツタウルシ、ヤマハゼ、ハゼノキ、ヌルデ、ウルシの植物的特徴。
特にこの低湿地帯の下宅部遺跡から出土した、漆樹液採集の傷を持つ杭(44体出土)と各地の出土杭より比較類推した、縄文時代のウルシ林の管理と樹液の採集方法。
また割れた土器などの接着剤として、どうやら縄文時代からさかんに用いられていた漆の活用例。
土器を、さらに強靱にするために実用とされた、高温塗布(高温硬化法・焼きつけ漆)方法。
さらにベンガラや水銀朱などを、漆に混ぜて土器に赤塗りした例などの紹介がありました。

講演会後には、収蔵展示室でその実物を、さらに子細に観察できます。
一見、どこにでもありふれたような土器片ながらも、受講前と受講後とでは、土器片のひとつひとつがまるで異なった存在として認識され、自身の物の見方がすっかり変化しており驚きです。

* ちなみに、今後の講座予定は以下の通りです。
2回目、「 縄文の衣服 アサ 」      ( 7月 9日(日))
3回目、「 縄文人の弓 イヌガヤとマユミ 」( 9月17日(日))
4回目、「 縄文人の主食 堅果類とマメ 」 (11月19日(日))
5回目、「 縄文人の籠 アズマネザサ 」  ( 1月21日(日))
6回目、「 縄文人の木製容器 クリとトチ 」( 3月18日(日))



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 ● 博物館の背後にある八国山の森に入り、ウルシをさがす。

考古の講座の後は、自然の講座。
現在八国山に自生しているのが、ツタウルシとヤマウルシの2種類。
今回確認できたのが、写真のヤマウルシの若木です。
一見クルミの若木とそっくりなのですが、ヤマウルシのほうは、葉茎の元が赤く、樹肌に縦にスジがみられ、葉先も若干尖っている点が、見分け方のポイントだとか。
ウルシには雄花と雌花がありますが、この季節は既に花も終わり、よく見ないと判らないような小さな実をつけていました。
和蝋燭といえば、木蝋としてはハゼ蝋ばかりと思っていましたが、東日本では冷涼な気候のため、ハゼノキが生育しなく、ウルシの実の中果皮の繊維部分に多く含んだ蝋質が、和蝋燭の原料となるようです。
池の端より森に入り、木漏れ日の落ちる細道を上り、目を凝らしウルシの樹種を探すひとときは、座学とはまた異なり、しばしながら緑に親しめなかなか愉しかったです。



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 ● 再び館に戻っての資料見学。

東村山ふるさと歴史館と、ここ八国山たいけんの里にて、これまで幾度も下宅部遺跡出土の考古資料は観てはいますが、その都度新しい発見があり、繰り返し観ることの面白さを感じさせてくれます。
土器の展示ケースは、最先端の技術を駆使した「有機EL(OLED)」照明を用いたケースで、まだ東博(東京国立博物館)などでしか使用していないような、大面積拡散光源で全体を明るく照らす珍しいものだとか。
編組資料の復元資料も、改めて興味深く拝見しました。



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 ● 「茶 かわせみ」にて休憩。

帰路のお茶休憩で寄ってみたのが、北山公園沿いの住宅地にある小さな喫茶店「かわせみ」。日本茶と和の甘味に定評があるお店です。
茶碗やお皿など、やきもの好きのオーナーのセンスの良さが、さりげなく演出されていて素敵です。
アボカドアイス(300円)には菫の花が添えられ、見た目の美しさばかりか一緒に食せます。
アボカド独特の脂肪分のうまみに、爽やかな酸味が加味されて美味でした。
常連客でもあるHさんと一緒だったせいか、汲み出し茶もサービスで頂き、緑茶でさっぱりした涼味を最後に楽しむことができました。
真空管ラジオの上に載るのは、二眼レフのローライフレックス。
北山公園見学の後には是非寄ってみたい、ささやかな歓びをもたらすお店です。




二都市に亘るママチャリ散歩、ちょっとした運動となり楽しいひとときでした!! (^^)  




  
  1. 2017/05/23(火) 21:46:49|
  2. 雑 閑
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