うちのガラクタ

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

331 ニンリーナムナム






今回は馬場で待ち合わせての軽飲み。
「静岡おでん」と餃子にするか、焼き鳥かの二択で行ってみたのが。
ガード沿いの焼鳥屋のほう。


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 ● 「やきとん みつぼ」  高田馬場。

もうずいぶんと昔、『酒場放浪記』で紹介されていて(チェーンのこの店舗とは逆の方向にあった店)、ホル刺盛り合わせが随分良さげで、いつだかほだされ行ってみたら。
TV向けの類さんへのサービスとは雲泥の差で、混んでいないのにオーダーをはぐらかされるわ、後の客の注文より遅れて出されるわで、飲み屋としての基本以前の問題で、とても印象が悪かった覚えがあります。

今回の店舗はそんな些末なトラブルもなく、客入りも満員御礼でとても活気に満ちていました。
瓶ビールで乾杯後、黒霧島のロックと共に、つついてみたのが「生ホル茹で刺盛り合わせ」(シロ、コブクロなどの5種盛り750円)、あん肝ポン酢、モツ煮の三品。
ホル刺は食管法の問題か、火が通りすぎ、可もなく不可もなくといったぼやけた印象。
市場で新鮮なホルモンを仕入れてきて、自分流に絶妙に火を通すのとは勝手が当然違い、これもむべなるかなといった感じです。
なんとなく、飲んでいて厭きてくる雰囲気もあり。
やはり「静岡おでん」より浮気したのがいけなかったのか。
黒霧のお代わりも一杯のみに留め、早々と撤退することにしました。

「おでんの前に小腹でも満たそうか、ラーメン、いやいや油そば。」
「そういえば、怪しげなビルマ料理の店もあるよ。」
「確かに怪しい!」

雑居ビルに混在したミャンマー料理屋、しかもシャン料理ときている。
客は誰もいなかったけど、とりあえず店に入ってみることにしました。


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 ● 「ノング・インレイ」   高田馬場。

高田馬場のミャンマー料理の老舗「ミンガラーバ」へは、かつて幾度か行ったことがあったけど、ミャンマー料理を食べるのなんて、ほんと何年ぶりだろう。
ミャンマー料理は、モヒンガーをはじめ、何を食べても妙に油濃かった覚えがある。
黄、緑、赤の三色旗に白い日の丸、これがどうやらシャン旗らしい。
ミャンマーの旅では、シャンのエリアは訪れたんだっけ。
マンダレーの後に、インレー湖畔の町、ニャウンシュエやタウンジーなどを旅したのだけど。
店名の 「ノング・インレイ」って、ひょっとして”インレー湖”の意味? はて!?

店のメニュー看板には「ミャンマー・シャン民族の料理がメインです。」
ミャンマーでは日本の食品と共通する、納豆や餅、なれ鮨なんかを見た覚えはあるけれど、シャン料理のイメージがまるで掴めない。
「シャン風高菜漬、海老の塩辛、シャン味噌などの発酵食品と、ハーブ・スパイスなどをたくさん使った、ちょっぴりピリ辛な味付けが特徴です。なんと、お豆腐もあります。当店自家製のひよこ豆から手作りしているシャン豆腐、ぜひお試しください。麺類は、お米の麺が代表的。日本人にも食べやすい味付けですよ。」とあります、なるほど。


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 ● なんとも微妙な「今日のおすすめ」メニュー。

「シャン納豆もち米せんべい」、それに中華でもよくあるカエルの料理は、まあよしとしよう。
しかし竹虫、コオロギ、”あり虫(蟻)”は、やはり一般の日本人にはどうみても無理だろう。
かつての東南アジアの旅では、必然的に昆虫食(カミキリの幼虫、カイコの蛹、セミ、タガメなど)も食べたけど。
やはりカメムシは駄目だったし、空港からヤンゴン市内に入った夜、暗闇の中で山盛りにされて売られていたタイワンコオロギは、ゴキブリを連想させてとても不気味だった。
竹虫は、日本の長野県などで食されるハチノコ(クロスズメバチの幼虫)と思えばOKかもしれない。
タイのチェンマイの市場では、これとよく似たイモムシが売られており、食べたことがあった。
アリは、いったいどんな食べ方をするのだろう? 
タイのイサーン(東北地方)やカンボジア辺りではツムギアリの類をスープの出汁(蟻酸を活用)がわりに使っているのをTVでみたことがある。
かなりのイカモノも混ざったメニュー構成ながら、オーダーはやはり普通の食べ物にしました。


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 ● シャンそばと、お茶のサラダで一杯やる。

入口が別の二つの店が、壁の一部を取り去られ、中で繋がっているという不思議な空間。
どことなく微妙にそっけない店内のインテリアが、場末感を際だたせ妙に素敵です。

オリジナルの自家製薬酒(一合、25度、500円。 左中)は、薄めた緑茶のような色をしている。
口残りの芳香が、どことなくバニラ風味な微妙な甘さを感じさせる、上品な味。

お茶のサラダ(右下)というのは、ミャンマーでは食べるお茶の「ラペットゥ」のこと。
茶葉に、小魚の干物や、豆類、刻んだ野菜などを和えて魚醤で味付けしてあり、ミャンマーの旅では随分いろんなヴァリエーションを食べました。
タイでは大型の茶葉を漬け込んで乳酸発酵させた、 「ミェン」という食べる茶がありますが、こちらはミャンマーのようにいろいろ和えて調理するものではなく、茶葉の漬け物自体を食すもの。
味はなんとなく高菜漬けっぽく、口残りの芳香は桜餅の桜葉を思わせる、どこかクマリンっぽい甘い味です。
中国では青茶である「龍井茶」などをそのまま用いた、茶葉料理がありますが。
ミャンマーの食茶文化は茶葉自体を漬け物状に発酵させて調味として用いる点が、ちょっと異なっています。

シャンそばは、タイのクティオのような米麺でした。
スープは複雑な味付けながらも、油っぽくなく意外とあっさり、爽やかな風味です。
自分は汁入り(左下)、知人は汁なし(右中)を注文。

ラペットゥは、ともかく酒請けとしては最適でした。
できることならば、家でのつまみに常備したいものです。
発酵食品文化は、一見似ているようでも、細かな点がいろいろ異なっており、なにかと奥が深い世界です。


最後は、おまけでミャンマーの旅、インレー湖あたりの市場の写真です。



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 ● 朝市のようす。


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 ● 市場にて。

列車の物売り(左上)は、頭の上に商品を載せて頭上運搬している。タージーへの列車にて。
湖畔の水路を行き交う、水上市場(右上)。インレー湖畔。
白い円柱のようなもの(左下)は、タナゴのような小魚(チョーレ)のなれ鮨、 シュエニャウンの市場にて。
乳酸発酵しており、しめ鯖のような味でした。
棹秤で量っているのは紅いニンニク(右下)、日本産と違いとても濃縮された濃い味で、こういった現地の野菜類を用いない限り、本場のミャンマー料理の味の再現は難しいかもしれません。


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 ● YUATHED寺院での会食の卓(上)と、赤い餅(下)。

すっかり忘れていたここでの会食、日記をみると料理の名前も細かく記されていました。

ナッチーン(発酵したご飯)、フッター(豚の煮込み)、ケ・モゥンチョー(揚げ菜)、モンタウ(揚げ菓子)、ペー・シィー(小豆の煮汁)、レヨッティッ・チョ(唐辛子)。
お茶請けとして、発酵した食茶(レッペッ)、ショウガ(チントッ)、揚げ豆(ペースィーチョ)、それにスィーレッ(葉巻)

露店売りの餅は黒米製なのだろうか、小豆を入れたような美しい紫赤色をしている。
赤飯の赤色のルーツは、案外こんなところにあるのかも知れません。
搗きたてで、とてもよくのび柔らかくて喜んで食べていたら、これは油で揚げて菓子にするものだとか。



そうそう、謎の言葉 ”ニンリーナムナム”は、シャン語で「こんにちは」(だったはず?)です!!  (*^_^*) 



  1. 2017/03/12(日) 21:35:02|
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