うちのガラクタ

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

313 トウさんの状差




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 ● トウさんの状差    木製    115×57×高さ280ミリ。

秋に実家に帰ったときに持ち帰った黒い状差。
もと神棚が置いてあった場所に、ぽつんと取り残されていたもの。
薄板が割れていたり、ビニールテープで簡易に貼って補修されている。
素人作りのものだけど、丸釘を使っていたり上底になっていたりと構造はしっかりしている。
誰が作ったのか、透かしは鳥を描いたものながら、窓枠も歪み、素朴というかなんというか。
くしゃくしゃに畳まれた伝票の類が無造作に突っ込まれていた。
明治生まれの亡くなった祖父の名前が書かれた、職業安定所書類なんかも一緒に混ざっていた。
うちの親族は母親達に倣い、だれもが祖父のことを「トウさん」と呼んでいた。
これはどうやら「トウさんの状差」らしい。


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 ● 祖父の写真

これはいつの写真だろう?
雪で埋もれた祖父の木造の昔の家。
根曲がり竹製のジョンバ(雪掻き)が立てかけられた物置は、石炭置き場。
馬車が山盛りの石炭を運んできた記憶がかすかに残る。
祖父の足元に寄り添う子どもは、どうやら姉のようだ。
お手製の紐付きミトン(手袋)をはいて(はめて)いる。
子どもの頃はうちの家族は、母の実家であるこの家の二階に住んでいた。
そういえば、祖父のいる居間の、柱時計のかかった柱に、この黒い状差も一緒にかかっていたような気がする。
この家のあった部分が取り壊されて庭となり、その裏手にいまの新しい実家がある。
今年は11月にしては異例的な、60㎝にもおよぶ雪が一日で降ったという。
いまや一人住まいで、老人となった母にとっては、通りに出るまでの家の前の除雪もままならなかったことだろう。
雪に埋もれ凍れる外と、煙突が真っ赤になるまでぼんぼんに焚かれた石炭ストーブがあった室内、いまやそんな対極だった子ども時代の生活が懐かしい。


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 ● 昔のアルバム

この夏の雨漏り珍事で押入から現れた古いアルバムは、祖父のものだろうか。
開いてみても写っているのは誰も知らない人ばかりだけど、家の改築写真のなかに、随一左官屋だった若き日の祖父らしき人が確認できた。


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 ●  状差   木製    312×70×高さ204ミリ。

まるでイギリスパンのようにこんもりとした山形のこの状差は、以前骨董市で求めたもの。
手前のポケットは三連の間に本来は中仕切が付いていたようだけど、その部分は欠損している。
全面には銅板製の分類窓が付いている。
手紙をほとんど書かなくなってしまった現在、状差も本来の用途から離れ、モノ差となってしまっている。


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 ● うちの状差2種

官製葉書を入れてみるとこんなかんじです。
現在のものは幅のサイズが微妙に大きいらしく、斜めにしか入らない。
どちらも、官製葉書が一回り小さかった時代に作られた、状差でしょうか。



簡易に補修されたビニールテープ跡も独特の味がありますが、この際も少し手直ししてみることにしましょう! (^^)  



  
  1. 2016/11/18(金) 10:20:36|
  2. 状差
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