うちのガラクタ

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

309 よっこらせ その3



しばらく間が空いてしまいましたが、
背負籠のある昔の旅写真の第3弾は、中華人民共和国 雲南省(1996年版)です。

中国への旅は 雲南省と西蔵自治区の2箇所のみです。
どちらもお気軽に飛行機で現地入りしたこと、少数民族地域の旅ということもあり、ある意味漢族主体の、中国らしい中国に触れることの少ない旅でした。
雲南省(1996)の旅では、これまで訪れた東南アジアの国々と様々な面で勝手も異なり、また初めての中国ということもあり、見るものなすものそして人々のパワーなど、とても刺激的でした。
1ヶ月ほどの滞在ながらバスを使っての駆け足移動。
納西(ナシ)族、白族、彝(イ)族、蔵族、蒙族、モソ人など、日常生活のなかでも鮮やかな民族色に身を包んだ人々に多く出会い、とても新鮮でした。
現代の日本のくらしでは、既に消えてしまった民具なども当時は現役で使われており、そういった風景が日常的に観れた点も貴重でした。
・・・・・・・・といっても、あの旅から既に20年ほど経つてしまい、世の中も大きく変わってしまいましたので、いまでは現地においても背負籠のあるくらしの世界が、すっかり消えてしまっているかも知れません。

旅の手帳はどこにしまったものか。
PCに突っ込んだDB表は、移動日程程度を記載した簡易仕立てなので、自分で撮った写真ながら、どういった場面だったのか既に記憶もおぼろげです。
スライド写真は一切プリントしなかったため見直す機会もないまま過ぎ、今回も小さな写真から思いつくままの考察となりますが、しばしお付き合い下さい。


B311_01.jpg

 ● 背負籠         昆明 3.22

昆明郊外の山頂にあった民族村、そこの石垣の工事現場で働く人夫が使っていたのが、角底口円形ゴザ目編みのこの背負籠です。
砕いた石を運ぶため、カゴに詰めると相当な重量となるのでしょう、重心を上に保つため朝顔形でカゴ背負紐の位置をあえて下方に付けています。
このカゴで特に変わっている箇所が肩紐部分で、細かな竹ヒゴを筒状に編んで紐にしています。
こういったタイプの肩紐は、日本の背負籠には一切見られない作り方だと思います。


B311_02.jpg

 ● 朝市にて       チャイトウ  3.30 <左上下・右下>
   路上にて       寧浪     4. 1 <右上>


チャイトウでは、背に白い襷や縫子の背当てを着けている女性は納西(ナシ)族です。
男性は女性に比べ、どこの土地でも民族衣装の洋装化が著しく進み、服装をただ見ただけではどの民族か容易に判断がつかない状態です。
路上に置かれた背負籠は粗く六ツ目に編まれたもの。
買い物客の中には、カラフルなプラスチック・テープで編まれた背負籠を負っている姿も見られます。

寧浪(ニンラン)の物売りのおばさんが使っていたのは、ジグザグ編みされた背負籠。
このタイプは後述する蔵族の町、中甸(ジョンデン)でもよく見かけました。


B311_03.jpg

 ● 朝市にて       チャイトウ  3.30

大きな黒い被り物をしているのは彝(イ)族の女性です。
段模様のついたフレアースカートが綺麗です。
編み目の細かいもの粗いものと数種類の背負籠が確認できます。


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 ● 市場にて          麗江  3.27 <上>
   市場にてカゴを編む     麗江  3.23 <中>
   市場にて          中甸  3.29 <下>

町の市場の一画に、プラスチックテープで編まれた背負籠がずらりと並んで売られています。
自然素材であるタケと違い、カゴ編みの際に一本一本籤の性質を見極める必要もなく、編み材の長さも巻かれたテープから自由にとれるので、身の回りの最小限のスペースでカゴ編みができます。
市場の路上でもプラスチック編みの背負籠を作る人を多く見かけました。
カラフルな色のプラスチックテープ、模様も自在にできてお洒落です。
帽子に花を飾り、友達と連れ立ってめいいっぱいのお洒落して買い出しにきた納西族の若い娘さんの背にも、この鮮やかな卸したてのプラスチックのカゴが背負われています。
新素材のこのプラスチックの背負籠は、竹製の背負籠とどのぐらいの値段の差があるのでしょうか。
竹カゴのように修繕しながら長い年月の間使うのでなければ、プラスチックテープ編みのカゴは適度な強度もあり、扱いも楽で非常に便利なのかもしれません。


B311_05.jpg

 ● 路上にて          喜州  4.9  <右上>
   定期市にて         控色  4.10  <右下・左>

大理近郊のこの辺りは、白族のエリア。
定期市には周辺の小村から多くの人が集まり凄い賑わいをみせます。
ここで見るカゴはゴザ目の背負籠。
路上のカゴ屋(左)は修理屋でしょうか? 
力竹や縁巻き部分など、その箇所のみ切ったばかりの青々しい材が補填されています。


B311_06.jpg

 ● 月曜市にて         沙坪  4.8

こちらも大理近郊の小さな丘の定期市。
臼・杵、蒸籠、唐棹、箕、篩、蓑、茣蓙、筌・・・・・・・・農具市といった風情で、カゴもいろいろ見られます。
ゴザ目編みの背負籠が多く、写真のようにカゴに周された一本の負い紐を片肩掛けに斜め掛けして緩く負っています。


B311_07.jpg

 ● 月曜市にて背負籠を選ぶ人         沙坪  4.8

この背負籠はどうなのかなぁと、真剣な表情で選んでいるおばちゃん。
背にするはゴザ目編みの背負籠、選ぶは若干朝顔形で変形六ツ目の背負籠。
背負籠の手前にある浅蓋のようなものは何のカゴでしょうか? おばちゃんの後ろに小さく甑(こしき)が見えるから、蒸籠蓋? それとも鍋蓋?


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 ● 背負籠による運搬     沙坪 4.8 <左>、 麗江 4.6 <右>

重い荷物を運ぶ場合は身体も自然に前傾に。
米粉麺を運ぶ人(左)、負い紐の長さを調整して、首の負担を押さえるべく両手掴みした頭額帯運搬をしています。


B311_09.jpg

 ● 子どもを負った人      麗江    <上>
   市場にて          中甸 3.29 <下>

上; 納西族。お母さんが買物ついでに小さな子どもも一緒にカゴで背負ってます。
  その手前のおばちゃんは刺し子の白い背中当てをしています。

下; 市場で麺を食べる蔵族。
  ジグザグ編みの背負籠を胸負いしています。


B311_10.jpg

 ● 赤ん坊籠           中甸 3.28

赤ちゃん専用に作られた背負籠でしょうか、お父さんが両肩で負っています。
高台が付いてカゴの中で椅子のように座れるかたち。
側面の縁が、赤ちゃんの手が出しやすいように微妙にカーブがついています。


B311_11.jpg

 ● 農村風景          寧浪  4.11 <上>
   旧市街を歩く        麗江  4.1  <下>

大理近郊の白族のエリアでは、美しい刺繍が施された寝んねこ半纏で、赤ん坊の脚を伸ばした状態で包み負っていましたが。こちらの納西族は、普通におんぶしています。


B311_12.jpg

 ● 農村風景          中甸郊外  3.28



背負籠シリーズ これでおしまい!   _(_^_)_ 



  1. 2016/11/08(火) 10:33:57|
  2. 民具
  3. | コメント:2
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コメント

興味深い写真をありがとうございました。密かに拝見してますよ!
  1. 2016/11/08(火) 22:45:40 |
  2. URL |
  3. みなまたのかごや #/p1nTf8Q
  4. [ 編集 ]

Iさん、いつも勝手なことを述べてしまい大変失礼しております。講演会もとても素晴らしかったです。
  1. 2016/11/16(水) 14:14:38 |
  2. URL |
  3. フナコレタロ #-
  4. [ 編集 ]

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