うちのガラクタ

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

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389 新年散歩





風邪でダウンしたまま寝正月の年明けでしたが、このところ恒例となった新年会、鎌倉のMちゃん宅へ行ってみました。




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 ● 『シネマ・アンシャンテ』    山田宏一・濱田高志 著

「『シェルブールの雨傘』で不動のの人気を獲得した映画監督ジャック・ドゥミと作曲家ミシェル・ルグランのふたりの足跡をそれぞれ交流のある著者が異なる角度からアプローチしたヴィジュアル・ブック。」  帯文より

Mちゃん宅にさりげなく置かれていたのが、このシネマ本。
丁度大晦日に観た映画「ロシュフォールの恋人たち」のカトリーヌ・ドヌープとフランソワーズ・ドルレアック扮する双子の姉妹が踊る有名なシーンが表紙写真となっており、ついつい手に取ってしまいました。

昨年刊行されたこの本の帯文には「ロシュフォールの恋人たち、公開50周年祈念出版」とあります。
そうかぁ、もうそんなにたつのですね。

ドゥミ+ルグラン コンビ映画の、各シーンの写真や刊行物の図版も満載で、時代性やデザイン史を考慮して見ていくと、いま見てもどの図版もとても洒落ており新鮮で興味深いです。
特に、配給された国ごとによって独自に作られたポスターなどの刊行物や、サントラのレコードジャケットにみるデザイン・ワークはヴァリエーションが豊富で、ひとつの映画を映像として観るのとは、また別の面でとても楽しめさせてくれます。

東和の年賀状1967年(上)は、よく見ると『ロシュフォールの若者たち』と書かれています。
その片隅には「70ミリ総天然色」、映像技術も徐々に向上して、いまと違って当時はまだまだ映画が娯楽の王道として揺るぎない地位にあり、観客もこんな最新技術の一文に惹かれ、映画館に足を運んだことでしょうか。
原色のサイケなイラストのルーマニア上映版ポスター(右下)も時代を感じさせるデザインで綺麗です。
山田宏一のシネマ本は、ヌーヴェルヴァーグものやヒッチコック関連など、毎本とても興味深く拝読しているけれど、今回のような共著本も実によいものです。

年が明けて訪れた図書館の新着本コーナーで見つけたのが 、 『映画を聴きましょう』細野晴臣 キネマ旬報社 は、映画を音楽の視点からとらえたキネマ旬報連載のエッセイです。
口絵となっているイラストレータが描いた各映画のシーンには、なかにはう~むと少しためらってしまうカットが強いながらも、ミュージシャンの細野晴臣の滑舌のよい文章と洞察力の深さ、音楽の総てを知り尽くしたこのエッセイを読んでいると、ついつい紹介されている映画を音楽に注意しながら観なくてはという気分にさせられます。
確かに、自分の中でも好きな映画はどの作品も映像と音(音楽)のハーモニーが絶妙なものばかりです。
近年観る映画のなかには、音害というか、どこか音が多すぎて観ていて気になり苦痛となる作品も少なくないので、このエッセイを読んでいて、映画と音楽の関係性になるほどと感心させられてしまいました。

音楽同様に、自分の場合は映画に登場する道具をいろいろな視点から愉しむ傾向が強く。
そういえば、フリマで偶然木靴を手に入れたときには、ジャック・ドゥミが撮った短編ドキュメンタリー『ロワール渓谷の木靴職人』1955を改めて見直してみたものです。

ブログ№214に紹介。

現代では映画自体が劇場で鑑賞する一期一会的なものから、誰もが時と場を一切気にすることなく気楽に自在に観られる時代となりなりましたが。
同時に、細野晴臣もこのエッセイで指摘していますが、映画音楽も鮮明なDVDリマスター盤に比べ、オリジナル版はフィルムに録られたどこかくぐもったものではあるけれど、音質という条件をはるかに越えて体感できる許容量はオリジナル版が歴然と秀でており素晴らしいと語っています。
やはり、映画の心に響く度合いというのは、技術力だけでなく時代との調和性にみられるのかも知れません。
ドゥミの映画も意識して見直して観なくては!



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 ● 新春気分のごはん会

Mちゃんが実家から持ち帰ったというお節のご飯、ごまめ、金団、伊達巻、膾、黒豆、昆布巻、雑煮の御相伴にあやかり、やっとこの寝正月より晴れて正月気分を味合いました。

藤沢に住んでいる、一番古くからの旅友達Sさんも誘ってみたら、仕事を終えてから合流。
前回会ったのが震災の年だったから、本当にロング・スパンの再会が嬉しく、3人で飲むお酒はますます進んでいくのでした。

翌日はタッパーに詰めた弁当を持って海辺でワイン。
この日はずっと曇っていて寒々としていましたが、珍しくこの海岸にして人気がまるでなく、新春の長閑な浜辺を眺めながら再び乾杯です。



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 ● 紙ものが結構可愛い

時にフランス本の翻訳もやっている詩人のMちゃん宅、届いた絵葉書など洒落た小ものも多い。
小型の本型箱のパッケージを開けると、納められていたのはキャラメルとフルーツゼリー。
日本の味にはちょっとないフランス菓子の甘味が美味でした。

詩集の話しから、本の装丁や活字、手書きの文字、手紙などの話しへと広がり。
しまいには、本年の年賀状評(その意匠と文字の特長など)。
友達の年賀状の見知らぬ人の書面やデザインを、あれこれ語り合うというのは、ちょっと悪趣味で変わった趣向ながら、お互い昨年来続いている新春遊びです。

『野草雜記・野鳥雜記』柳田國男 昭和15年の第二刷(16年)の箱入り二冊本は、戦時中の酸性紙ですっかり紙焼しているけれど、それぞれ茶と鶯色のカバーに付箋が貼られたデザインが美しい。
柳田國男といえば、民俗学や世相史ものしか読んでいなかったからこういった本もあったことに驚き、こんな昔の稀覯本を年始にお年玉として頂いてしまい大感謝です。
旧漢字の活字を追いながら、古紙を捲る愉しみは、現代文に改訂された文庫本を読むのとはまた一味異なった喜びです。




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 ● 新春の神社巡り。

稲村ヶ崎より鎌倉までは、普通に歩いておよそ1時間。
今回は途中で小さなお宮さんにお詣りしながらの寄り道です。
社に亘された大きな注連縄、社殿の御神木、本年の干支絵馬など見るべきものも多いです。



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 ● いざ鎌倉

観光地である鎌倉、お洒落なショップや土産物屋も数多く人混みで賑わっていますが、つい目が入ってしまうのは人気のない裏路地や、昔ながらの店舗のウィンドウ、そしてどこかキッチュなものたち。
コケーシカは今回は開店していましたが、さすがにお店の中に入るのはなんとなく恥ずかしくウィンドウ・ディスプレイのみでしたが愉しませていただきました。
こけしもマトリョーシカと併せて若い世代で「かわいい」ブームを呼んで久しいですが、日本の郷土玩具の持つどこか親しみの持てるとぼけた表情が好きです。



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 ● 歴史を感じさせる建物に出会うのもぶら歩きの喜びのひとつ。

和洋を問わず住宅や店舗、屋敷などと魅力的な建造物が随所に残された鎌倉です。
各々の建物の細部を見たり、勝手にこれまで歩んできたであろう建物の歴史を想像しながらの、一人よがりの建築ウォッチングが面白いです。



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 ● 鎌倉歴史文化交流館     鎌倉市扇ガ谷

世界的に著名な建築家ノーマン・フォスター率いるフォスター+パートナーズが設計した個人住宅「Kamakura House」(2004年竣工)が市に移管され、シンプルなそのデザインに配慮しながら改修工事して、昨年春にリニューアルオープンしたのが「鎌倉歴史文化交流館」です。
館内では、鎌倉の歴史・文化を通史的に紹介し、あわせて鎌倉で発掘された出土遺物などが公開されています。
また、広く活用できる施設となるよう、さまざまな教育普及事業や交流事業が開催されています。



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 ● 鎌倉歴史文化交流館 展示の様子

鎌倉歴史文化交流館のオープンに際し、本来はガレージやゲストルーム、リビングや寝室だった部屋が、通史・中世・近世近現代・考古の展示室として新たに生まれ変わりました。

中国から渡ってきた青磁のやきもの。
人寄せで多数用いられた素焼のかわらけを打ち捨てた塊。
墨書が書かれた木簡。
建築の遺構や、人形や玩具などの遺物もとてもよく残されており見応えがあります・・・・・・。
時代ごとに小体にまとめながらも、なかなか内容の濃い展示となっています。
入館料は大人300円。



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 ● 「鎌倉歴史文化交流館」を見晴らす。

この館の建つ谷戸は「無量寺谷戸(むりょうじがやつ)」と呼ばれ、江戸時代には、相州伝の刀工宗の後裔である綱廣の屋敷があったと伝えられ。大正時代には、三菱財閥の岩崎小弥太の母親の別荘が構えていたという由緒ある土地です。

現代の2棟からなる石造近代建築は、谷戸で囲われた壮大な周囲の景観に違和感なく融け込み、谷戸のアーチ状の岩穴もアクセントとなってまるで西洋の野外劇場さながらの雰囲気です。
会議室であった場所のこの交流室は谷戸に面したガラス張り。
元は池があった中庭部分は、近所住民の関係で大きな音は出せないそうですが、朗読会や演奏会、コンテンポラリー・ダンスなどの、野外ステージとして最高のロケーションです。

Mちゃんに付き添い、ここの交流室の借り入れで詩の朗読と踊りの会の申請のため訪れたのですが、改装オープンということで普通によくある町の公民館の一室の様子を思いながらやってきたので、この借景の豪華さに驚かされすっかり魅了されてしまいました。
この空間、ともかく素晴らしいの一言です。
春に開催の企画も上手く運ぶとよいですね。



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 ● のどかな新年散歩となりました。

おまけ写真は、富士山と江ノ島です。
そして、どこかのお宅の書初めです。
昨年は「春の海」と書かれた書道が4幅窓辺に飾られておりましたが、今年は1幅ながらも「明るい未来」 、なにかと重く暗い事件も多い昨今ですので、この書に励まされ良い一年でありたいものですね!



ほのぼのと新年散歩、楽しいひとときでした。 (^_^)v 



 
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  1. 2018/01/08(月) 15:56:24|
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387 お犬さん






クリスマスも終わり、新年のお飾りの開始です。



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 ● 土人形 幅30×65×高さ36ミリ。

来年の干支戌にちなみ、選んでみたのがこの犬の土人形。
いつだかフリマで郷土玩具が出されており、堺土人形の駒とともに求めたのがこの人形。ちび犬だったので値段もたっの100円。
腹には鉛筆書きで「伏見」とある、伏見人形には確かにこれと同じ人形型があるけれど、土質や描写の具合などを見てみると、どこか余所の地域の人形ではないかと思います。
しょぼけた雰囲気に合わせ、昭和の一等貧乏な平瓦に乗せてみました。



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 ● 犬の写真額をさがす。

犬モノのアイテムはほとんど皆無、それでもどこかに犬の額があったはず、ごそごそと小額をさがし発見。
京都の知人Kさんが撮った写真ながら、いつだかネガを借りて暗室で紙焼きしたもの。
もこもこの毛足が長い牧羊犬(ベアデッド・コリア)ながら、すっかりきれいに刈られてしまった模様。
現れた身体がこんなに細っそりとしていたことに驚かされる。
額装を替えようと、裏蓋を開けてみたら、中からごそりと他の写真が現れた。
海外の子供の写真はヒトミちゃんの撮ったもの。
むかし旅先で収集した草花をポストカードにした物の、カラーコピーが一緒に同封されていた。



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 ● ヒトミちゃんの子供写真。

<左上より>
ヨルダン ペトラ。
イラン イスファハーン。
パキスタ-イラン国境。
パキスタン フンザ。
インド デリー。
ヨルダン ペトラ、ベドウィン。
イラン イスファハーン。
ヨルダン ペトラ、ベドウィン。



愛くるしい子供の表情がなんともいえずグッド!
子供との距離の親かしさを感じさせる写真にとても感動して、手札サイズのプリントを譲って頂いたのでした。
そうかぁ、当時はこの額に飾っていたものなぁ、お犬さん写真ついでに見つけられてラッキーでした。



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 ● 押し花など。

旅先では石ころや木の実など、一切お金のかからないそんな拾い物が結構嬉しくて、自分の旅の思い出としていた。
小さな草花の押し花も、そんな旅先で出会い旅の手帳に挟んで仕上げたもの。
ポストカードに仕立て、友達に絵葉書として送っていた。
オリジナルは既に無いけれども、カラーコピーとして残っており、今回そんなコピーをスキャンニングしてみた。
いまのようにパソコンがあればこんな作業は訳もないことだけど、当時は全て手作業でした。


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 ● 『アジアの小もの』

「アジアの小もの」と称して、アジアのおもちゃと子供の写真をポストカードに仕立てたことがあった。
おもちゃ・子供の写真をそれぞれ10選し、暗室で一枚一枚手焼きした。
使ったのはイルフォードのマット印画紙で、各バージョン20セット作りフリマに参加してみたけれどほとんど売れなかった。
ケースやラベルも100%の自製品、綴じ紐も風合いを出すためにトウモロコシの皮を紙縒にして随分と手間のかかったものだった。
おもいでついでに押入を探すと、そんな一部があらわれた。ラッキー。



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 ● 『アジアの小もの』 部分

<左上より>
ネパール ナラ、仏教ネワールのイー(七五三)。
カンボジア、弓張り鳥。
ネパール ナラ、仏教ネワールのイー(七五三)。
ネパールの庖丁とミャンマーのお守り。
イランの塵取。
タイの水鉢とミャンマーの鳩笛。
イラン ペルセポリス、母子。
ラオス ナムター。
ミャンマー イェレーパヤー、花売りの母子。
ラオス ウードンサイ、モン族。
タイのスコタイ焼陶片とミャンマーのお守り。
チベット ラサ近郊、母子。




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 ● 額装を替えてみる。

桜三角のありふれた額を微妙な色合いで塗装し直したものだけれど、中のマットがいまひとつ写真と合っていない。
というわけで、コタバル産の使い古されたバティックの端切れを用いてみる。
爺くさい渋めな表具ながら、一応完成(下)。



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 ● before - after

こりゃほとんど変わってませんゎ。
かろうじて及第点の60点というところか。残念。



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 ● 年賀状にも土人形の写真を使用。

ワンパターンのデザインながら、写真のバックには玩具尽くしの縮緬風呂敷を使用。
よくみると独楽やこけしに混ざり、鯛狆や犬張子も確認でき、戌年を高める雰囲気にアレンジしてみました。
四隅に散らした謎の文字は、ベンガル文字の数字で”2018”
賀状が届く方には、ネタバレで恐縮ながらお楽しみに!



地味クリの次は地味正かなぁ~  (^_^;)  



  1. 2017/12/27(水) 19:32:40|
  2. 雑 閑
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386 地味クリ





クリスマスは地味線


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 ● お飾りはこんな具合

額装されているのは、貰いもののカレンダーに使われていた写真。
どうやら神父が纏う際服の一部分のようです。
金糸の刺繍が施された贅沢な意匠です。
子供の頃は実家でも、大降節のこの季節、おひな様のようにピノゼッピオ(クリスマスの人形飾り)が飾られていましたが、さすがにそんなお飾りも部屋にはないので、石膏製の聖母子像をぽつんと飾ってみました。



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 ● 黒い聖母子像

どこの地域の聖母子像を模したものでしょうか。
何故か埃のかかったこんな像も実家にあり持ち帰りました。



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 ● 実家にあったメダイ

クリスマスとはまるで縁のない図柄で、すみません。
右のメダイは聖フランシスコでしょうか。
ミュンヘン近郊にある中世から続く宗教都市フルダから宣教に来ていた、フランシスコ会のドイツ人の神父の透き通るような蒼い瞳が、子供心にとても印象的でした。
フランシスコを描いた映画では、ロッセリーニの「愛の道化師フランチェスコ」もいいけれど、どちらかといえばやはりゼファレッリの「ブラザーサン・シスタームーン」が好きです。
物欲にかまけているいまの自分はさて置いて、現世の冨をすべて破棄したフランシスコの清貧さには常に憧れます。



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 ● ポルト酒で乾杯

聖餅(ホスチア)も、復活祭やクリスマスなどの特別なミサでは、甘いミサ用ワインに浸され供されます。
子供時代の記憶に残る、そんな甘いワインの味が嬉しかった。
到来物のこのポルト酒も、どこかミサ用ワインを思わせる甘味が美味でした。
東方の三博士の来訪、乳香やもつ薬が焚かれたミサの香煙も、香りという記憶でもって自分のなかでしっかり息づいています。
オマール産の乳香があったはず、どこにしまったんだっけ後で焚いてみよう。



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 ● ニアス島での子供のミサ と ヤモリ

スマトラのニアス島を旅したのは津波の前、もう遙かな昔のことです。
インドネシアは云わずと知れたムスリム人口が最大の国ですが、スマトラはところによってはクリスチャンも多い。
このときはクリスマスではないけれど聖パスカル祭で、子ども達のグループの歌競べがなされていました。
「パスカル、パスカル、アレルヤ、アレルヤ~♪♪」元気な声が響き渡っていました。

部屋のなか、いつのまにやら日向ぼっこに現れた小さなヤモリの写真はおまけです。
今年はゴキブリが出なかったけど、ひょっとしてこいつが退治してくれたのかなぁ?
どこか東南アジアのヤモリ、トッケを思い出させる可愛さです。



近ごろはほとんど出歩いていなかったので、世のクリスマスモードとはまったく無縁、部屋のなかで地味クリです! (^^) 



 
  1. 2017/12/25(月) 09:09:36|
  2. 雑 閑
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385 炭火 蔵 IKADA





知人のQ君のお店が、山合いの御岳に先月オープンしました。
太い貫が井桁に交叉する天井の日本の民家の在来工法を上手く取り入れた古民家調の店内、鶏腿肉焼きにおにぎりといったシンプルなメニュー構成のお店です。



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 ● 『 炭鳥 蔵 IKADA 』    東京都青梅市御岳2-313  tel, 0428-85-8726

営業時間; 11:00 ~ 16:00 (夏季時間変更あり)
定休日 ; 木曜日(祝日の場合は営業 ※冬季不定休あり)
交通  ; JR御嶽駅から神路橋を渡り徒歩13分
    または、JR御嶽駅前セブンイレブン横バス停<ケーブル下行> → 中野バス停下車 徒歩2分




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 ● お店のランドマークともいえる蔵は、昭和のはじめ頃建てられたもの。

数ある候補地の中から、更地の売り地にぽつねんと残された蔵が決め手となった『 炭鳥 蔵 IKADA 』。
蔵が歩んだ長い歴史の中で、幾分改装された痕跡は見られるものの、太い梁には棟上げ式の墨書がしっかりと残されていました。
新設された店舗のほうは、そんな蔵のイメージにうまく合わせた古民家風(写真下左)。
黒い柱に白の漆喰が美しい意匠です。



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 ● before - after

建物の外装内装のほとんどは、Q君一人でもってこつこつと造りあげたもの。
叩きのコンクリートも自分で流し打って仕上げる、といったこだわりよう。
いくら器用といえども、彼のようにここまで出来る人は、そうそういないのではないかと思います。
蔵の内部は、後に改造された押入などの余分な箇所を取り去って、建造当初のシンプルな姿に戻し、ギャラリーとして活用されています。
蔵部分はどなたでも自由見学が可能です。




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 ● 蔵部分の 1階は、 筏流しの歴史展示。

前職で美術と民俗学の両方を究めた彼らしく、歴史資料や貴重な古写真を組み合わせたパネルでもって、いまでは失われてしまった多摩川の筏流しの様子を子細に伝える展示です。
店舗の背後には多摩川の渓谷があり、岩が多いこんな急峻な流れのなかを、丸木を組んだ筏でもって河口まで流していたかと思うと、まさに身体を張った筏乗り達の技量の深さに感心させられます。



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 ● 蔵部分の 2階は、アートギャラリー。

現在は「烏田賢治遺作展」を開催中。
古い蔵の空間に、モダンな作品がしっくりと落ち着いた魅力的な展示でした。



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 ● 店舗のあちこちも、よく見るとかなりのこだわりが!

卓の脚には風呂桶が。(上左)
店舗の三方を取り囲む大きなガラスの引き戸は、古い昔ものが嵌められています。(上右)
カウンターの椅子として使われているのは、酒醸民具の暖気樽を改造したもの。(下左)
古風に見える店の看板も、どうやら自製らしい。(下中)
小さな蛇口のひとつまでも、アンティーク調にリペイントされている。(下右)



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 ● オリジナルラベルの利尻昆布の販売

食材のひとつひとつまでにも厳選したこだわりが。
産直の利尻昆布のラベルは、浜で作業をされている木版画家でもある漁師さんの作品をアレンジしたもの。
蔵の階段部分に飾られていた木版画もどうやらこの方の作品らしい。
そういえば本日は丁度「冬至」でしたね。
大型で長い一本物の利尻昆布は、一枚一枚袋に入れられ、卸値で店頭販売されている。
オーダーされた昆布汁は飲み放題。
昆布汁はまさに天然の旨味成分がよく抽出されて滋養に満ちている。
薬味として地物の柚が添えられているのも嬉しい。



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 ● 店舗内部

店の内部の見所は、なんといっても中央にでーんと置かれている焼き場です。(こちらも自製)
注文と同時にオーブンで焼かれた鶏腿を、各々が炭火でもって更にセルフで焼き上げるスタイル。



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 ● お食事メニュー

○ むかし鳥 730円  ※昆布汁付き  <ガツンと固い骨付き鶏モモ焼き>
○ ばくだん 520円  ※昆布汁付き  <北海道鮭、紀州梅干、北海道佃煮昆布、広島海苔、長野産こしひかり、 小さな”ミニばくだん”もある>
○ 昆布汁 100円  ※おかわり自由 <北海道利尻仙法志浜産>
○ 味付け玉子 100円  <青梅川鍋家産>



むかし鶏; 紅く燃え上がる炭火を見つめながら、頃合いを見て串を捌くのも食事の愉しみ、皮もさらにパリパリと仕上がってとてもジューシー。
鶏は青梅・入間の地鶏、よく動き回っていたものらしく、しっかりと締まった噛みごたえのある肉質がたまらない。
腿肉は軽く切れ込みが入り、さらにキッチン鋏も用意はされているけれど、箸に取ってというよりは、やはり素手でもってかぶり食いとなってしまった。
タレと岩塩より好みのほうを選択できる。
岩塩の塩味が、鶏の上質な脂の旨さを更に引き立てる。

ばくだん; とてつもなくデカイおにぎり。具も一個のなかに3種も入っておりとても贅沢。
意外と具同士が喧嘩をせず響きあっていて驚かされる、昆布の佃煮には紀州から苗で取り寄せたブドウ山椒(現在裏山の畑で2年目)のふくやかな辛味が絶妙のハーモニーを生みだしています。
テイクアウト向けには封が出来るコート紙が用いられ、長時間電車に揺られ家に帰ったときも温かさをしっかりと保っていました。
そして海苔も程よく湿っとりと更に美味しくなり、とても上等な海苔が使われているのですね。
にぎり飯の旨さは、確かに海苔がパリパリも良いけれど、やはり湿っとりとした旨さに分があるよなぁ~としみじみ感じさせられました。

味付け玉子; 程よく煮汁でもって馴染んだ煮玉子は、黄身の半熟具合がどんぴしゃでした。



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 ● 飲み物メニュー

飲み物は、ビール、ノンアルコール、ワンカップ、コーヒー、ラムネなどがあります。

上は塩山の一升瓶ワイン”ホンジョウワイン・ピンク” (一杯300円)、いわゆるロゼなんですが、敢えてピンクと言っているところが余りに気取りがないというか、土地の方は湯呑茶碗でもってがぶがぶ飲むそうな。
ワインといえばワインながらかなり変わった味で、好みのほうも大きく2分するらしい。
いわゆるワイン通には人気がなく、反面酒好きには結構受けがよいという代物。
残念ながら製造中止となってしまい、現在は在庫限りの希少品。
店のメニューの”むかし鳥”にはめちゃくちゃ合います、お試しはお早めに!
今回はコップ酒ならぬ、地元に倣った茶碗でワイン方式で受け皿までぴったりとサービスしていただきました。

カップ酒は澤乃井(350円)、アテに出されたブドウ山椒が得も云えぬ美味さです。
料理が盛られる経木皿には、一枚一枚焼き印でもって店印を押しています。
そんな手作り感も好感がもてます。
杉葉や笹葉も周囲に自生しており、そのまま一葉を手折り、皿の飾り葉となっていて綺麗です。



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 ● 商売繁昌を祝して

藍色の衣裳に身を固め厨房に立つQ君、一国一城の主人としてなかなか様になって見えます。
気温差も都心に比べ数度は異なるという御岳ですが、東京都とは思えない豊かな自然に溢れています。
山肌に規則正しく植林されている杉林、この地で伐られ木場まで下ろし建材に生まれ変わる、かってその一役を買った筏流し師達。
そんな彼らに想いを馳せて、滋味に溢れるこの店の炭焼きを堪能してみて下さい。



 年末年始は、12月28日(木)~30日(土)休業
 31日午前11時~元旦の午後4時<終夜営業>
※ 1月2日より通常営業。
※ 毎週木曜定休日



目指せ御岳山入口の大鳥居<下車する中野バス停で御岳山まで1.4キロ、店には徒歩2分>。
御嶽神社への参詣や、周辺のハイキングやラフティングも楽しめる抜群のロケーションです。



勝手ながら『 炭鳥 蔵 IKADA 』、商売繁昌を願いエールを贈りつつ。 (*^_^*)  



  1. 2017/12/22(金) 17:31:31|
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384 器飲み





西武狭山線は所沢より西武球場前駅を結ぶ、とても短い路線。
今回はその沿線沿いの、初めて伺うMさん宅での一品持ち寄りのご飯会。
家からですと、そのまま西武線乗り継ぎ乗り継ぎで行けるけど、挫いた足の調子もいまひとつ。
歩くよりは自転車でと、ママチャリで狭山丘陵を抜けてみたけれど、意外にアップダウンが激しい。




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 ● Mさん宅こと 「枇杷の木庵」

線路際の二階家、窓からは借景の竹林が美しい。
階段脇にある枇杷の木に因んだ呼称の「枇杷の木庵」。
茶色の産毛の蕾を突き破って咲く白い花。
そっかぁ、枇杷の花ってこんな冬の季節に開花していたのですね。



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 ● 4人プラス2疋でのご飯会

宅飲みでのご飯会の醍醐味はなんといっても余所では味合えない料理にあるけれど、ご自宅にある様々な器がいろいろ楽しめるのも魅力です。
古いものから現代のものまで、洋の東西を問わずMさんの審美眼で蒐つめられた器がずらりと勢揃い。



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 ● まずはこんな感じでお昼からスタート

ごっついインドの3段弁当箱で持参したのが、
いつもの定番ながら、ピータン豆腐、生春巻き、ライタ、カボチャのカレーの4品と、このところ酒の肴としてすっかりはまっている、鯖の糠漬けヘシコです。

厚揚げでの回鍋肉、黒豆、油揚げの挽肉包み焼き、水キムチ、松前漬、ウォッシュチーズ、乾し杏、タンドリーチキン・・・・・・・・・。



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 ● グラスもいろいろ楽しめて嬉しい

ビール、ワイン、グラッパ、日本酒、焼酎・・・と、お酒ごとにグラスを替える楽しみ。
作家物、業務用、大きなものから小さなものまで、注がれたそれぞれの触感を味合いながらお酒が進みます。
同じ切り子のコップといえども、バリエーションがいろいろ楽しめて面白い。



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 ● お洒落なカフェのような室内

上; まるで現代絵画のような鉄平石のスレートは、実は英国の屋根瓦。
中; 赤松の一枚板のテーブルに石皿、同じ馬目皿であっても眼の描き方がまるで異なっている。
下; 出窓に並んだティーカップ。




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 ● 賑やかな器たち

本棚、箪笥、食器棚、いずれも使い込まれた昔のもの。
さりげなく置かれている小物が、とても良い感じです。
よく見たら、ブリキ缶の作品が知人のものだった。



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 ● 狭山湖畔の散歩

この季節、枯れ木の雀もすっかり着膨れの福久良雀状態。



昼から始めて夜よな飲み続けたたのしいご飯会でした。 (*^_^*) 




  1. 2017/12/13(水) 11:53:30|
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