うちのガラクタ

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

022 ひと皮剥けて大きくなって プレパラート


 近頃の青少年向けの科学本の中には、写真を見ていて本当に面白いものが沢山あります。図書館の親書コーナーで目にした『脱皮コレクション』なる本も、そんなもののひとつです。ヘビ、カメ、トカゲ、カエル、カニ、エビ、トンボ、チョウ、バッタ、セミ、カメムシ、カブトムシ・・・・etc。爬虫類などの小動物や昆虫などの様々な「脱皮」の様子を、写真を通じ詳細に紹介しています。「のぞいてみませんか? 生きものたちの秘密の時間を」という副題の通り、そのどれもが不思議で、異常に美しく、まったくもって感心させられます。大人になった現在では、脱皮の様子を想うには余りに貧困で。せいぜい夏の季節に、木々に残された蝉の抜け殻を見つけ「脱皮」を想う程度です。自分が小学生の中学年頃までは、遊びというと。校庭での草野球、ドッチボール。Sカン、ニクダン(これらは、かなりローカル色強い危険な遊びだったと思います)などの皆で遊ぶもの。独り遊びとして、川や沼でのザル掬い、近所の空き地や林などでの虫捕りなどでした。そんな中でも虫捕りが一番お手軽であり、虫かごの中に捕らえた、昆虫の種類と数を競い友達同士で自慢しあったものです。捕まえた昆虫は家に持ち帰って飼育して、しばしの間観察してみたり。昆虫標本キットで標本作製し自製の標本箱に飾ってみたり。採集や飼育のために、図鑑を広げ、それぞれの昆虫の名前や習性、生態を学んだり。雌雄の違い、色やかたちを比較してみたりと。いま思えば、自分は虫捕りによって自然観察の基礎的な見方を学んだといえます。セミの抜け殻以外にも、トンボのヤゴの抜け殻。カゲロウなどのカワムシ類の抜け殻は度々見つけはしたものの。その時点では肝心の脱皮の様子は目にすることじまいでした。当時は夕食前の暗くなる時間までに家に帰るという不文律がありましたので。勇んで森へ出かけたものの、成果がまるで上がらず、虫かごの中は空っぽ状態。木々に同化して高所で鳴いているセミの成虫を目的にしていたのですが、技術的に補虫に及ばす悪戦苦闘。気付くと、昼間の蝉時雨も消え去り、やがてヒグラシの声へと移行する日没の時間帯。「まずい、急いで家に帰らねば」と慌てて思ったその時に、薄暗闇の樹木の根元にもぞもぞ動く小さな影を見つけました。セミの幼虫が脱皮するために地下から這い上がってきたのでした。気づくとここにも、あそこにも・・・。わずかに夕暮れの10分ほどの間に一斉に這い出てきて森の景色が一変しました。それは正に何ともいえない神秘的な光景でした。20・30匹は捕ったでしょうか。家に戻るともう真っ暗で、母親から大目玉をくらいましたが、先ずはセミの幼虫を子供部屋のカーテンにぶら下げることに専念。夕食後、好きなテレビ番組も見ないで部屋に引きこもったままの息子に疑問をもったのでしょう。豆電球のみ明かりで返事も碌に返さずの黙んまりに、しびれを切らした母親が明かりを点けた、その刹那、母親のこれまで聞いたことの無いような叫び声が上がりました。確かにカーテンにもぞもぞとしている無数のセミの幼虫は異様です。観察は夜通し続けられ、色鉛筆でもって詳細?なスケッチが仕上がりました。幼虫の背中がパッカリ割れだし、中から成虫になろうと白い物体が徐々にはい出てきます。大きく反って、やっと脱皮を終了し、いま抜け出した抜け殻の上で羽肢が自然に伸びきるのをじっと待ちます。淡い白薄緑色の変身仕立ての成虫は何とも妖艶で瑞々しく、やがて時の経過と共に体色も黒く落ち着いてきます。これからわずか一週間、最期の虫生に向けて備えます。輸送の経緯が悪かったのか、一割ほどは羽肢を上手く伸ばしきれずの状態となりました。土の中で何年もの間、この瞬間を目指して成長してきたのに、子供の観察日記といえど、いま改めてみても何とも罪なことをしたものです。反省(=_=)


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 ● 上; 『ベロりと大きく剥けた海水浴のMY日焼け皮』(2009年夏脱皮)
 一皮剥けても成長はもはや求められず、シミが残るばかり。淋しき中年の悲哀かな。顕微鏡で覗いてみても何とも汚いものでした。
   中下; 子供顕微鏡セットに付随していたプレパラートセット
 プラスチック製、25×幅75ミリ


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 ● 海水浴の帰り何故かM君が置いていった顕微鏡セット(対象8歳以上)。
安全を考慮してか? レンズ以外は、スライドグラスなども含め総プラスチック製


  ■ プレパラート
 移動: 案内、 検索 プレパラート(ドイツ語: Präparat)とは、顕微鏡観察を行うにあたり観察対象(試料)を検鏡可能な状態に処理したものである。通常、光学顕微鏡の観察用に調製(preparation)したものをこう呼ぶ。  Wikipedia より





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 ● 「シマヘビ」
『脱皮コレクション』 岡島秀治 監修、日本文芸社、2011より


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 ● 「ヘビの抜け殻」、目玉の膜までしっかり残っていて驚き!
『脱皮コレクション』 岡島秀治 監修、日本文芸社、2011より


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 ● 「キンイロショウジョウバエ」
『脱皮コレクション』 岡島秀治 監修、日本文芸社、2011より



  1. 2013/05/26(日) 21:32:16|
  2. プレパラート
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