うちのガラクタ

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

020 祈りと土塊 祈祷標




 この六角形の小さな土塊(つちくれ)は何か解りますか?
ムスレム(イスラム教徒)が、日に数度の礼拝の際、メッカの方位に向けて祈ることはよく知られていますね。祈祷用の小型の絨毯には、そのための印が描かれているものもあります。この粘土を固めたような土塊は、それと同じ用途の、祈祷用の土標です。イランのシラーズの宿泊した部屋にあったものを頂きました。キリスト教社会では聖書がホテルの部屋に置いてあるのと同じように、どうやらイランのホテルにはこれが置いてあるようです。市場の雑貨屋などにもかたちが違うものを数種類見つけました。 下の拓本のものもその一つ。逆さハート型にモスクの画が描かれています。


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 ● モホル<祈祷標> 土製、φ40×12ミリ


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 ● モホル<祈祷標>・拓本


 一昔前に観た、イラン映画、「友達のお家はどこ」、「運動靴と赤い金魚」などはいずれも子供が主人公。イラン映画というと何となく自分の頭の中では『お子様もの』というイメージで定着しておりましたが。昨年観た「彼女が消えた浜辺」、「ペルシャ猫を誰も知らない」などは、いつのまにやらお子様ものから社会問題をテーマに描かれたものに変わっていて驚きでした。友人から借りているイランの漫画、『ペルセポリス』にも、イランの見えざる姿が描かれており非常に興味深い本でした。白黒の対比の強い画の表現も、一度見たら忘れられないことと思います。

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 ● 『ペルセポリス I イランの少女マルジ』
   マルジャン・サトラピ
   園田恵子 訳 、バジリコ株式会社 2005
   ISBN4-901784-65-X

 マルジは、イランの裕福な家庭に生まれたが、小学生でイスラム革命が始まる。突然、男女は別の学校に通わされ、ヴェールをつけることを強いられる。弾圧・戦争がおこり、爆撃の犠牲となる友人、拷問で死ぬ叔父、死と隣り合わせに生きながら、普通の女の子の目線で淡々と語られる日常生活。社会風刺とブラックユーモアがきいた、マルジ6歳から14歳までの自伝的グラフィックノベル。

  作者; マルジャン・サトラピ MARJANE SATRAPI
 1969年、イランのラシュト生まれ。テヘランで成長し、フランス語学校に通う。14歳の時に国を離れ、ウィーンを経て、ストラスブールでイラストレーションを学ぶ。イラストは「ニューヨーカー」や「ニューヨークタイムズ」など、世界中の新聞や雑誌に掲載。また、子供向けの本も数冊執筆。なかでも1979年イスラーム革命以降の著者の体験を描いた本書は批評家の絶賛を浴び、すでに30ヶ国語に翻訳されて国際的なベストセラーとなっている。「ニューヨークタイムズ」が選ぶ注目すべき本に選出されたほか、優秀な外国語の本のアメリカ版に贈られるハーベイ賞、さらには米国図書館協会のアレックス賞を受賞。2005年にはアングレーム国際バンドデシネフェスティバルにおいて、『Poulet aux prunes(鶏のプラム煮)』が最優秀アルバム賞を受賞。 現在、フランスのパリ在住。


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 ● 『ペルセポリスと母子』  Persepolis, IRAN, 1997



  1. 2013/05/24(金) 23:10:56|
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