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うちのガラクタ

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

460 ビーズ






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 ● 「ビーズ 自然をつなぐ 世界をつなぐ」   台東区上野 国立科学博物館
   写真(上)は現代のワイヤー・アンド・ビーズアートによる作品


アクセサリーの類は一切身に付けない自分です。
それでも、世界の様々な民族の衣装にみる宝飾品は、布ともどもに美しく、見ていて飽きることがありません。
布ものに加え、いわゆるネックレスなどに使われるビーズを、面白く捉えるようになったのは、いつの頃からだろうか。


以前、アフリカのナイジェリア滞在の商社員の奥方が、彼の地で集めたコレクション(1970年代に蒐集)の展示の設営をしたことがあった。
布を専門に扱う日本の商社が独自に開発した、現地のアフリカ向けに派手な図柄で鮮やかにプリントされた何十種類もの自社製品の数々。
現地の人々の服飾品や民族衣装、生活雑貨、お土産物を含む怪しげな美術工芸品などと、様々な物品が混在した雑多な内容だった。

そのかたは格式ある駐在員の奥方らしく、現地のパーティーなどで着飾るためなのか、ネックレスなどの宝飾品の数が際だっていた。
きっとそのようなアクセサリーも、アフリカの現地の空間で見れば、素晴らしく映えるのだろうか。
その手の世界に疎い自分としては、ジャラジャラと小山の量のネックレスを前にして、どれを見てもあまりに派手すぎる。
言い方は悪いながらも、随分と品に欠けるようで、ただ呆然と感じたものだった。

そんなアクセサリーの数々を、演示作業のために仕方なく手に取って、展示に向けて分類整理してみることになる。
数あるネックレスのなかでも、なかに混じっているトンボ玉などには、現代の土産物用として量産された新しいものから、幾分時代があると思われる、交易によってアフリカにもたらされたヴェネチア玉など、様々な種類の玉が混在しているのが識れた。
未分野ながらも、ある一定の法則のもとに比較していく。
しげしげと玉のひとつずつを手にとって子細にみていくと、各々の特長や玉の区別も若干ながらつくようになり、そんな工程が意外に面白く新鮮な体験となった。

実はもう随分と昔に、トンボ玉などは、岡山市立オリエント美術館や渋谷区の松濤美術館の企画展示で一度ならずも観ていたはずなのだが。
いま思うともったいないながらも、その頃はまだそれほど玉を観る眼力がなかった。
そのうちトンボ玉の展覧会カタログも散逸してしまい、現在ではその時の内容もすっかり忘れてしまったままである。


ビーズというと、いの一番に思い浮かべるタイプは、やはりカラフルなガラス製のものだろうか。
2001年に国立民族学博物館で特別展『ラッコとガラス玉 -北太平洋の先住民交易』展を観た。
そのサブタイトルにあるように、需要と供給のための交易品として、一個のガラス玉がこの地域に浸透していって世界を変えた、ガラス玉の歴史と文化を探る素晴らしい展示だった。
その後も、民博の企画展で植物のジュズダマを取りあげた展示を観る機会があった(2007年)
ジュズダマのような植物も、ビーズとして盛んに装飾用に活用されている例があるのが解り、こんな植物素材のビーズも、これまた面白いとかんじた。

今回の科博でのビーズ展は、民博と科博の共同企画展である。
まずは、民博で開館40周年記念特別展として2017年に「ビーズ展」が開催され、いわばその縮小版といえるものが、今回の科博での「ビーズ展」だ。
やはり民博は大阪にあるので地理的にも遠く、展覧会を観るだけの目的では気楽に伺えない。
その点科博は、近場にあり、そのほかの常設展示もテーマごとに楽しめるので便利だ。
展示会場も小じんまりとしており、資料数もほどよく、じっくり鑑賞するのに疲れない分量というのも、些細な点ながら嬉しいところだ。

展覧会では、”ビーズを魅せる”をキーワードに、ガラス、植物のほかに、動物、貝、石、金属などの様々な素材のビーズを紹介している。
そして、展示されているビーズの実物の多くは、やはり民博の所蔵の資料が多い。
民博ならではの世界の民族の歴史や文化を軸とした解説と、今回はさらに科博ならではの科学的な視点も加わって、ビーズのもつ素材や製造の解説もなされている。
今回の展示では、民博・科博の両機構のもつ互いの専門分野の長所を上手く活かし、ビーズを識るのに新たな着眼点がもたらされ、とても充実した素晴らしい内容だった。
古い時代の歴史あるビーズから、現代の美術・工芸品とおぼしき類のものまで幅広く集められ、ビーズをキーワードに、多彩なビーズの世界が楽しめる。
使われているビーズの素材や形は様々ながらも、どれもが美しく、見れば見るほどビーズにすっかり魅せられていくのだった。




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 ●  植物のビーズ

オルモシア<Ormosia sp.>を身につける女性

首飾り イラン;  チョウジノキ(つぼみ)

花の首飾り(レイ)  ハワイ;  ハイビスカス

女性用貫頭衣  タイ  民族:カレン;  ジュズダマ

首長用帽子  インド ナガランド州  民族:タンクール・ナガ;  ジュズダマ、トウアズキ

上衣  エクアドル  民族:ヒバロ;  ジュズダマ、鳥の羽根など





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 ●  動物のビーズ その1

頭飾り  ブラジル;   アマゾンに生息する鳥(ミドリコンゴウインコ?)の羽根製、鳥の羽根を用いる以前は別の素材を使っていた可能性があるという。

首飾り ブラジル 民族:ウルブ;  ヘビの助骨。

首飾り    ; 魚の骨

首飾り・腕飾り  台湾 民族:タイヤル;  タイワンオオスズメバチの頭部
赤ん坊の悪霊除けのお守りとして枕元において用いた。

靴(モカシン)  アメリカ合衆国 民族:平地地域先住民<推定>;  甲とベロの部分はヤマアラシの毛、甲の縁はガラスビーズが使われている。

壁飾り   ブラジル; 白い部分に用いられているのは、世界最大の淡水魚といわれるピラルクのウロコ。


動物素材のビーズは、植物のビーズと異なって、こんなものまでもビーズにしてしまうのかと、どこかインパクトがあるものが多い。

今回ここには載せていないけれど、動物ビーズコーナーのVTRには、ボツワナのサン族による、ダチョウの卵殻を素材としたビーズつくりの様子が紹介されていた。
ダチョウの卵殻を細かく砕き、さらに動物の角でもって縁辺部を磨いて円盤状にする。
それに錐で穴をあけてひとつの玉ができあがる。
最後は、野生動物の腱からつくった糸を通して仕上げていくという、おそろしく手間のかかるものだった。
こんなダチョウの卵殻製のビーズが、最古の物では4万年前からあるというのだから、ただただ驚かせられるばかりだ。


特に動物の骨や牙は硬質だから、植物素材に比べ、加工にはその分余計に手間がかさむけれど、その分ビーズとしてはより耐久性に富むという利点もある。

解説書には、「 動物のビーズに使われる骨や爪、羽毛などに共通するのは、いずれも食べられない、食べにくい部分ということで。これらの素材となった動物は、食べるために得られたものが多いといわれている。肉はおいしくいただき、残ったこれらの部分を装飾品として加工し、無駄なく動物資源を利用する人びとの気持ちがくみとれる 」とある。

ビーズと呼ばずに、日本語で玉と言うと、装飾の要素以外にも、どこか霊的であったり、象徴的な要素をも含む言葉となる。
ビーズとしての装飾性はたとえ強くても、動物は生きものだから、やはりそんな動物のもつ生命力にあやかっている側面も、多いのだろうか。

写真の魚の骨のビーズのように、うちでも浜辺で拾った、同じような大ぶりな魚の骨(マグロかな)の部分を、なにかに使えるのではないかと持ち帰り、けっきょく引き戸の取っ手として使っている。

廃物ながらも骨などの動物の部位には、どこか人を惹き付けてしまう要素を持っているようにおもう。




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 ●  動物のビーズ その2

首飾り  台湾  民族:タイヤル;  ヒトの歯

首飾り  ブラジル  民族:パラカナ;  イルカの歯  民博所蔵品で、もとはサルの歯として登録されていたものが、改めて科博で確認したところ、海洋種のイルカと判明された。

首飾り   フィジー;  シャチの歯

首飾り   ブラジル   民族:ワイワイ;  ジャガーの牙

首飾り  アメリカ合衆国   民族:クロー;  クマの爪、ワシタカ類の爪、ビーバーの下顎先端

頭飾り  ソロモン諸島 マライタ島  民族:クワイオ<推定>;   イルカの歯


歯牙は、動物にとって角や爪と同様に、剥き出しになっている骨の一部分である。
表面が堅牢なエナメル質で保護され、食物を咀嚼するために細かく噛み砕いたり、噛み切ったりと、その動きも含めどこか生々しさをかんじさせる器官でもある。

そんな動物の歯でできた首飾りのなかでも、とくに台湾のヒトの歯の首飾りは、ひときわ生々しくかんじさせる。

前歯から奥歯まで、大人の歯も子どもの歯も用いられており。
歯根がきれいに残っているので、白骨化した頭骨の顎の部分を割って、丁寧に引き抜いたといわれている。

ふるくから人類が活用していた素材のひとつに、ピアノなど鍵盤部分の部材などとしても、加工性に富み、かつ指の当たりが良く重宝された高級素材、骨牙がある。
そういえば、今回の展示では、象牙が一切とりあげられていない。
何故なんだろう。
ナイジェリアの首飾りを整理したときには、確かに高価な象牙製の玉もごっそり見かけた。
ワシントン条約などの問題などで抵触があるからなのか、不思議におもった。





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 ● 貝のビーズ

ウミギクガイ製の首飾りガウを首にかけたヤップの首長

首飾り  パラオ トビ島 民族:トビ / 腕飾り  パプアニューギニア;  アンボンクロザメ(イモガイ類)

首飾り  インド アッサム州;  シャンクガイ  本種はインド洋のミャンマーからスリランカに分布する海産巻貝で、インド南部では聖具として珍重される。

イス(神像付き)  パプアニューギニア セピック川・ラム川流域
タカラガイが、頭の周囲に環状につけられている。イスの高さは2mを超える。

長衣   台湾  民族:タイヤル;  従来はシャコガイの貝ビーズ?とされていたが、今回改めて検証したところ貝類ではない可能性があるとされ、今後の詳しい分析が必要とされている。

仮面    パプアニューギニア、アフリカなど;  タカラガイの類  従来ビーズにあるものは模様のある背面ではなく、腹面(殻の口のある方)が見えるように繋がれている。現代の土産物として作られたビーズでは背面を見せるようになっていて、価値観の違いが伺える。



タカラガイが容易に手に入る海岸部では、この貝が装飾に使われることがなく、内陸部に運ばれることで価値を持つという。
貝の道は、貝のとれる海岸部から貝が大量に利用される内陸部までの道である。
アフリカでは、東アフリカや中部アフリカにおいて仮面や壁掛け、帽子など、多様なものの装飾に使われている。一方、アジアでは、ベンガル湾の貝が内陸部のインドのアッサム地方に運ばれている。ニューギニアの内部でも同様であるという。


かってオセアニアの資料展示をしたときに、今回のパプアニューギニアの人面イスと同じような資料があり、やはりそれにもこれほどの量ではないけれど、イモガイなどが目玉に象嵌されており面白いとかんじたものだ。

このコーナーでの貝ビーズの製造VTRのほうも、先のダチョウの卵殻ビーズ同様に、とても手間のかかる内容だった。
きれいに赤く発色させるために、貝を焼く工程があったりと、美しいビーズを得るための工夫があるのを識ると、これらのビーズも益々魅力的なものにみえてくる。

各々のコーナーに配置されたVTRには、仕上がった実物のビーズを、ただ見ただけでは得られぬ多くの情報が隠されており、このような展覧会向けに短く編纂(いずれも2分ほど)され、効果的に仕上げた映像の活用に感心させられた。




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 ● 石・金属のビーズ


首飾り  インド グジャラート州;  カーネリアン(紅玉髄)

首飾り   エチオピア  民族:アムハラ; 銀  アムハラ社会では銀ビ-ズが社会的地位の高さを示す。

アルミのビーズ

女性用衣裳     ナミビア北部   民族:ヒンバ;   鉄

儀礼用首飾り  モロッコ;  コパル(琥珀)

頭飾り   インド;  トルコ石



石製や金属製のビーズでは、いずれも素材の獲得の困難さや、特別な加工技術を要す。
植物や動物素材のビーズのように、その地域の人々が自から採集して自製できるような範疇を越え、専門的な技術をもつ職能集団が必要となる。

金属は、単体で利用するほかにも、合金にすると色や加工のしやすさの調整が可能となり。
また、メッキをすることで、表面の色を変えることができる。
独特の光沢を持ち、さまざまな色や形のビーズを作ることができる幅の広さが、その特長といえる。

石のコーナーのVTRでは、インド グジャラ-ト州のカーネリアン(紅玉髄)製のビーズ作りを紹介していた。
石を剥離させるのと、美しく発色にさせるために、焼いて熱を加える工程が2度あり、貝ビーズのVTR同様に、ここでも加工のための熱利用を興味深くかんじた。

南アジアでは約4500年前に栄えていたインダス文明において、カーネリアン製のビーズが非常に好まれ、インド北東部で産出されたものが、インダス川下流から上流にむけて運ばれたのみならず、メソポタミア地域まで到達したという。
石は、ビーズとしても堅牢な材質であるから、はるばる遠路への交易も可能となる。
美しく希少なビーズを求める人々の厭くなき欲求は、古代も現代もまるで心情的にかわっていないようで、宝飾品の文化の根底となっているようで面白い。




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 ● ビーズを纏う

コルセット  南スーダン  民族:ディンカ;  男性が身に付け、富の象徴ともいえるもの。

男性衣裳(左)、女性衣裳(右)    ケニア  民族:サンブル;

女性用衣裳     ナミビア北部   民族:ヒンバ;   鉄製、ヒンバの女性が使用する、両足首・腰・首など、総重量は5kgにおよぶ。アンゴラ南部から移住した男性鍛冶屋が鉄くずで製造した鉄ビーズで、ヒンバが飼育するヒツジとの交換で取引する。

頭飾り   インド  民族:チベット;  トルコ石



エントランス・ホールの吹き抜け下のステージに設置されたマネキン(右上)の衣裳、サンブルはケニアのマサイ系遊牧民。
マサイ系らしくすらりと高く、見上げるかっこうになるので、なんだかとても神々しい。
マネキンの着付けは、衣裳そのものとして、実物のもつ情報は十分にくみとれるというものの。
やはり、現地で生身のひとが実際に衣裳を身につけている一枚の写真にはかなわない。
そこには、空気感というのか、彼の地の人々がもつ、暮らしや文化もふくめて撮られている。

展示のエントランスに並んだ数体のマネキンのなかでも、特にタイのアカ族女性のものなどは、
下部スカートと脛当てまでの脚の長さが余りにありすぎる。
小さな人たちなのに、なんだか長身の西洋人が、むりやりコスプレしているように見えてしまい、いただけない。
衣裳の展示にマネキンはとても便利だけれど、用い方をあやまると、衣裳そのものがまるで別物に写ってしまいそうで、マネキンもなかなか難しい演示道具だとかんじさせられた。

トルコ石でもって美しく飾り立てられた頭飾り(右下)は、確かペラクと言ったか?!
この写真を撮った御夫妻が寄稿したラダック紀行が、むかし持っていた『あるく。みる・きく』にあったはず。
今回の展示で、その実物を初めて観れてとても嬉しい。
それにしても、なんて美しいのだろう。
そして頭に冠せると、ずっしりと重そうだ。
高橋孝一写真集『アジアの体熱』のザンスカール章のなかにも、この頭飾りをつけた女性の写真が幾葉か載っており、懐かしくなって押入に仕舞い込んだ写真集を久しぶりに取り出して確認してみる。





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 ● ガラスのビーズ

首飾り(タマサイ)   日本  民族:アイヌ;  カムイノミ(アイヌの信仰儀礼)にて。

遺跡出土のさまざまなガラス玉  日本

仮面(象)    カメルーン  民族:バミレケ;  ヨーロッパとの交易によってもたらされたガラス製ビーズは、今日においてもバミレケ諸王国のヒエラルキーを特長つける要素になっている。

トンボ玉   花柄文様のモザイク玉;

コルセット  南スーダン  民族:ディンカ;

トンボ玉   シェブロン玉; ヴェネチアまたはオランダでつくられ、主にアフリカに運ばれた。

人像  ナイジェリア 西海岸   民族:ヨルバ;   すべてがガラスビーズでおおわれた高さ1.5mの人像。世界でも最大級の工芸品、中国産を使用。

ビーズ刺繍   日本;

歌舞伎衣裳(ビーズ織り)   日本;


展覧会では、時代や地域別にずらりと並んでいる、トンボ玉にすっかり魅せられてしまった。

トンボ玉は古代シリアが発祥の地とされ、以来世界中にその製法が広まっていく。
エジプト、フェニキア、ローマなど地中海沿岸、イラン、イラク、さらにはインド、東南アジアの諸国に至たる。

トンボ玉は、工芸品として見ても、技術の高さや美しさが際だっているものが多い。
かってアフリカでは奴隷の売買のために、トンボ玉が交換品として用いられたこともあった。
金銭での売買には応じなくとも、トンボ玉には屈してしまう人々がいたのが伺い知れる。
さまざまな地域の人々を惹き付けてやまない、トンボ玉のもつ不思議な魅力。
これまでの長い歴史のなかで、かるく万を超えるだろう種類の玉を生みだしてきた、トンボ玉。
世界の各地で、トンボ玉を所有していた当地の人々の文化や思いは、いったい幾ほどだったのだろうか。
そんな点をも含め、はてしなく想像を膨らませられることができるトンボ玉は、ただケース越しに眺めていくだけでも、とても面白い。


髭面男を模したフェニキアあたりの人面・人頭玉。
ローマ時代の地中海域のモザイク玉に人面玉。
高さ1㎝強ほどのちいさな玉に、よく見ると、わずか数㎜にしかならないような、とても小さな金太郎飴式の人面が貼り付けられている。
微妙に歪んだ金太郎飴形の人面と目が合って、そのユーモラスな表情に、思わず微笑んでしまった。

青・赤・白の3色で鋸歯文<シェブロン>の模様をもつた、シェブロン玉もなつかしい。
この玉の分布は、とくに東南アジアに多く、一部はイランやアフリカに伝えられている。
ふるくはローマ時代のエジプトのトンボ玉と云われていたものが。
オランダの玉工場跡からの出土物があり、オランダが輸出用に製造したものであると判明する。
ところが西アフリカで採集されたシェブロン玉のなかには、オランダ製のものとは明らかに異なる成分が分析されたことにより、その後その組成よりヴェネチア産のシェブロン玉も、以前から同時にあったことが知れるようになる。
近世に登場したオランダ、ヴェネチア製造の2種類のシェブロン玉。
ヨーロッパからアフリカ、さらに東南アジア域までとトンボ玉が歩んだ交易の道には、どこか歴史のロマンを感じさせずにはいられない、そんな面白さに満ちている。




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 ● 現代のビーズ

歌舞伎衣裳<ビーズ織り>(上)とその拡大部分(右下);
210万粒、226色の日本産のガラスビーズが使用されていて、製作に3年要した豪華絢爛な衣裳です。総重量はいったいどれほどになるのだろうか。

育児用お守り   南アフリカ 東ケープ州 シスケイ;  使い捨ての注射針のカバーが使われている。もとの木製お守りの形を保ちつつ素材が変わった例。


華美で豪華なこのような衣裳から、ある種意外なこのようなお守りまで、ビーズを切り口にさまざまな要素のものが紹介されている今回の展示は、小さな子を連れた家族連れなど、誰が観ても楽しめる内容となっている。

廃材といえども、身近にある素材を上手く活用し取り入れていく人々がいるのを知り、そんな面が、どこか微笑ましくおもう。
近年では、化学合成素材であるプラスチック素材は、天然素材にくらべ、一段劣ったチープなイメージがつきまとうけれど。
そんな負のイメージさえ払拭すれば、この注射針カバーのお守りも随分とお洒落でモダンな代物に見えてくるので不思議だ。

以前、埼玉県近代美術館で、アフリカの空き缶などの廃材アートの作品展を観たことがあった。
そのときも、その自由な発想で生まれたそれらの作品に、目からウロコ状態となった面白さだった。
上から目線で、エコロジーを唱えるのではなく、このような廃資源を有用活用するのって、なんて素晴らしい試みだとおもってしまう。




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 ● 褌(ふんどし)     綿・ジュズダマの類      巾300×長さ4350ミリ<フリンジ部分含まず>    ヴェトナム

ジュズダマ Job's tears ( Coix lacryma-jobi );
苞鞘(ほうしょう)とよばれるつぼみ状の硬い葉が、果実を包んだもの。加工しやすく、色、形、光沢、硬さ、耐久性があり、身近な環境に生育して入手しやすい。
複数の変種があり、形もさまざま。
種子にはもともと縦に孔が貫通した構造をしていて、硬い殻にわざわざ孔をあけることなく、この孔に糸を通すことができる。



自分は、アクセサリーへの興味は皆無なので、うちのガラクタのなかには、今回の科博のビーズ展のようにビーズっぽい物品はみられない。
そんななかで、強いていえばこの褌だけは、裾飾りの一部にビーズが縫い込まれていたので、最後におまけにしてみることにする。

ヴェトナムの中部山地のバンメトートーからダナンへ向かうルートの途中、コンツムの市場を覗くと、現地のバナール族のものとおぼしき、濃紺に赤い縞が美しい儀礼用の布が数枚売られていた。
そんな布のなかの一枚に、この褌があった。
フリンジが付いたの裾飾りの基に、長頭米大のとても細い管がビーズとして縫い込んである。
「これって、植物素材なのか貝の類なのか」 これまでは依然判然としないままだった。
今回の科博のビーズ展では、ジュズダマにはさまざまな変種があって、実際このような細いタイプのものも一緒に展示されていた。
やはりジュズダマの一種であったと判明し、悶々の謎解きを果たし、嬉しくかんじた次第。


写真(左下)は、ヴェトナムの中部山岳地帯にもほど近い、南ラオスのアタプー県のもの。
医療NGOの方に、名も知れぬ小村に連れて行っていただいたときに見かけたのが、この褌姿の老人(左より二人目)である。
日本の祭礼などを除いて、褌姿、実生活で褌を纏った人を見たのは、これが初めてだった。
ラオスの老人の褌はとても質素なものだったけど、ヴェトナムで褌を入手したばかりということもあり、そんな偶然になんだか縁をかんじ、とても嬉しい気分となったのだった。




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 ● うちの引き出し   ビーズになるもの

写真下中央の赤い豆はトウアズキ。
南西ネパールの砂金採りをする人々を訪ねたときに、森の中で鮮やかな赤が目について拾ったもの。

トウアズキ<Abrus precatorius> 東南アジア原産で、現在では世界の亜熱帯地域でみられる。種子は重さが変わらず、かって金の重さを量るために用いられた。種子には毒がある。

科博展でのこの解説にあるように、ネパールの彼の地でも、かっては砂金秤の分銅がわりにこのトウアズキが使われていたと云う。
土地ではトウアズキを”ラル”と呼び、金の重さの基準呼称も、1ラル・2ラル・・・・・・と数え、その度量衡の単位が言葉として残っていた。

巨大な鞘をもつ豆のモダマ、タカラガイ、サザエの貝蓋、トウアズキ。
オヤシラズを抜歯したときの虫歯と、青いトルコ石以外はすべて拾いもの。


科博のビーズ展を観たときには、会期がまだ少し残っていたけれど、その後無精してすっかり書きそびれてしまった。
それでもこの間、久しぶりにトンボ玉の本を読み直すなどしてみると、ビーズの世界の奥深さを改めて感じさせ、ビーズって益々面白いものだとかんじてしまった。
ただ今後も、装身具としてビーズを身に纏うことはしないとおもう。
それでもストラップにつける根付け程度なら、なにか美しい玉をひとつ手に入れてみるのも悪くないかもしれない。




さて、どんな玉をさがそうか・・・・・・・・・・・!!(^^)!  





  1. 2019/06/21(金) 15:40:57|
  2. 雑 閑
  3. | コメント:0

459 サーランギー







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 ● チハヤ・初屋の和み展にての「インド古典音楽ライブ」   根津 ギャラリー マルヒ  2019年6月8日

先週の土曜日は、梅雨空もどうにか保っての雨知らず。
科博のビーズ展の後に、折角だからインド音楽の小ライブへ寄ってみました。
芸大前の通りを抜け、言問通りの坂を下り根津へ出る。
こじんまりとした小路にある、昔ながらの町屋を使ったギャラリー マルヒの和室で、畳に座っての音楽会は、展覧会のタイトルにあるように、どこかとても和んだ気分にさせられます。
インドの古典音楽のラーガは、各々の一曲が優に1時間以上にも亘る長い曲だけれども、この日はラーガと民謡風の2曲を1時間に納めた小演奏会で、リラックスして聴くには程良い長さでした。


演奏は、サーランギ:西沢信亮 タブラ:石田紫織

西沢さんのサーランギを聴くのも、ほぼ2年ぶり。
演奏にますます磨きがかかっておりました。
タブラの方とは古くからの知り合いらしいですが、合奏はこの日が初めてとか。
奏者の組み合わせによる、掛け合いの妙もインド音楽の魅力です。
弓と太鼓の掛け合いが相乗し、奏者の息吹が膚にひしひしと震きます。
音盤ではキャッチできない、細やかな呼吸の鼓動をかんじられるのも、生音ならではの愉しみであり良さですね。
今回は、インドの梅雨の時期に奏でるラーガが1曲選曲されましたが、日本間で聴くラーガの音色も、それなりに音もどこか緩和されまるくなるようで。
ドシャ降り雨期のインドとは異なり、日本の梅雨時イメージで、なんとも情緒深く独特の趣があり素敵でした。





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 ● 初めて聴いたサーランギ       2007年 国立民族学博物館ホールにて

サーランギといえば、物売りが門付けで使う、まるでおもちゃのような小さな弦楽器をカトマンドウの町中で聴いたことがありましたので、
以前みんぱくに寄った際に偶然の催しで聴いたサーランギは、楽器自体の大きさや、張られている弦の数、そしてなんとも複雑な擦弦楽器の音色には、ずいぶんと驚かされたものです。
演奏者の名前は、すっかり失念してしまいましたが、インドから来日された著名な方だったはずです。
インド音楽を奏でている日本人奏者のコミュニティーは狭いはずですから、きっとその手の方が見たら一発で誰だか名前が知れることとおもいます。




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 ● 企画展「旅する楽器 南アジア、弦の響き」   国立民族学博物館

この春久しぶりに みんぱく へ行ってみたときに、これまた偶然に企画展示されていたのがこの楽器展。
みんぱくの音具資料のなかからセレクトしたものや、個人蔵の特別な南アジアの弦楽器<撥弦楽器・擦楽器>が一堂に集まった豪華版。
照明も明るく、島台に剥き出しで平置きされており、そんな点が詳細に楽器の細部を観察するのにも向いています。
シタールにしても、サロードにしても、そしてサーランギー(この企画では末語を長母音表記)なども、おなじ属の楽器なのにかたちもそれぞれ微妙に異なっている点が面白い。
そして近類種の楽器のヴァリエーションも多く並び、見ているだけで、どこかわくわくしてしまう素晴らしい展示でした。

バナー写真を飾る楽器は、系統図よりサローズと確認できます。
器面には象嵌装飾で覆い尽くされたとても美しい楽器で、会場入口の一番の場所に設置されていました。





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 ● サーランギーなどの擦弦楽器類

以下は、一部の楽器それぞれのアップ写真です。
地名は多くが採集地、年代は採集年・収蔵年のようです。





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 ● エスラージ(左上)、カマイチャ(右上)、サーリンダー(左下)、ギチャック(右下)

■ エスラージ (esraaj); インド 西ベンガル州 カルカッタ  1970

■ カマイチャ (kamaicha); インド ラージャスターン州 ジョドプル  1993
   ラージャスターン州の職能カーストにより演奏される弦楽器

■ サーリンダー (saarindaa); インド デリー  1987

■ ギチヤック (ghichak); アフガニスタン カブール  1975
   アフガニスタンのウズベク人やタジク人が演奏するスパイク型楽器

エスラージはヴァイオリンを立てて奏くインド版とばかり想像しておりましたが、ここにあるエスラージは、ヴァイオリンというよりはシタールを立てたような巨大な楽器です。




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 ● サーランギー(左上)、サーランギー(右上)、コブス(左下)、イギル(右下)

■ サーランギー (saarangii); ネパール  2018

■ サーランギー (saarangii); ネパール  2018
   著名演奏家クリシュナ・バハドゥル・ガンダルバが演奏していた楽器
   羊腸(ガット)弦が張られている

■ コブス (kobyz); カザフスタン アルマトゥ  2014
   儀礼や叙事詩詠唱の伴奏に用いられた

■ イギル (igil); ロシア トゥバ  2013




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 ● カシミーリー・サーランギー(左上)、サーランギー(右上)、サーランギー(左下)、デイルロバー(右下)

■ カシミーリー・サーランギー (kashimiri saarangii); パキスタン イスラマバード  1987
   独特の形をもつカシミール地方のサーランギーは、現在では見られない

■ サーランギー (saarangii); インド  1989

□ サーランギー (saarangii); インド ラージャスターン州  1989の撮影

■ デイルロバー (dilrobaa); アフガニスタン カブール  1975




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 ● チョーティー・サーランギー(上)、サーランギー(下)

■ チョーティー・サーランギー (choottii saarangii); パキスタン イスラマバード  1987

■ サーランギー (saarangii); パキスタン イスラマバード  1989

糸蔵部分の装飾の美しさ、そして主奏弦のガット弦3本以外の、共鳴弦の金属弦の数の多さに圧倒されます。
そんな点が、複雑でなんとも趣のある インド音楽の音色を生みだす、独特な楽器のかたちとなって現れているようです。




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 ● パネルにあった擦弦楽器の演奏風景

左上より;

□ ガンダルバの楽師たちによるサーランギー演奏  ネパール バトレチョール   2016

□ カマイチャを演奏する マーンガニヤーの楽師たち  インド ラージャスターン州 ボルンダ   1989

□ サーリンダー奏者  アフガニスタン カーブル    1991

□ クル・コブズの演奏   カザフスタン アルマイト郊外    2006

□ バンジール州出身のタジク人の音楽家が演奏しているギチャック   アフガニスタン カ-ブル    1972


ギチャックは、なんと沖縄の缶カラ三線と同じように空き缶がボディーとなっている。
キッコーマンの空き缶が奏でる音色とは、どんなものなのだろうか、聴いてみたいものです。

知らない世界の楽器というものは、ともかく眺めているだけで様々な想像を巡らし面白いですが。
楽器の構え方、弓の持ち方など、写真ならではの情報も多く良い点もあります。



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 ● 演奏会を愉しんだ後は、ちょいとお湿りで門仲へ寄り道する

プチ・インド音楽を愉しんだ後は、雄大なラーガの余韻を味合う間もなく、大衆酒場で友達と待ち合わせて一杯。
余分な、おまけ写真となってしまい、お許し下さい。
ちょいと軽飲みの予定でしたが、ついつい旨い酒の肴に誘われて、コップ酒のほうもそのままの勢いで結構進んでしまった。
ビールで乾杯、この時点ですでにポン酒を一人5杯づつ飲んでいる。
貝ひも、エンガワ、うな肝、まぐろの中落、ハゼ天、げそ揚げ ・・・・・・・と、最後の〆のブリ汁まで、すっかり飲んでしまった。
ちなみに650というのが、この日随一の500円超えの高額メニューであった肝付き(アワビ、右下)で、最高に美味でした。
肝だけで、もう十分飲めそうなかんじです。
こんな御手頃価格で品質のよいお店が近場にあったなら、家での晩酌もすっかり霞んでしまいそうなコスパの高さです。

久しぶりに寄った「魚三酒場」、カウンターをきりりと給仕して仕切るおばちゃんの髪(ひょっとして染めていた?!)にも、すっかり白いものが目立つようになっておりました。





展覧会に音楽、飲みと満喫の一日でした! (~o~) 




  1. 2019/06/11(火) 00:04:12|
  2. 音具
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458 川越





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 ● 成田山川越別院の尊骨董市    埼玉県川越市

本日は28日なり、久しぶりに川越の骨董市へ。
交通費をけちり、ママチャリで向かうこと約2時間。
昨日までの快晴と異なり、途中からポツポツと雨模様ながらも無事到着。




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 ● イスラム風陶器の土産物、東芝ラジオ、継ぎ当てだらけの古布、網柄杓は珍品戦前一人テニス2000円なり

ガラクタ・センサーが低下しているのか、特にこれぞというモノはなし。
お得感ある掘り出し物も発掘できない。




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 ● 藥師様の目の絵馬、おびんずる様

鯉の餌やりならぬ、亀の餌やり。
のろまと覚しき亀たちも、この時だけは凄い勢いで餌に食らいつく。
その多くはアメリカ産のミドリガメ(ミシシッピーアカミミガメ)である。




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 ● 弁当箱    琺瑯製       レインドロップスにて

三段重+皿+カップと、カフェオレボウル風の琺瑯カップがついた弁当箱(値札は4300円)は、いったいどこの国のものだろうか?!
多少の瑕疵はあるものの、使い込まれた味となって魅力的な弁当箱である。
お土産で頂いた古いインド製の弁当箱も持っているけれど、きょうは誕生日だからちょこっと奮発して、こんなガラクタ買いもよいかもと選んでみる。

一巡して戻ると、丁度お洒落な若いカップルに売れてしまったばかりで残念。
でもきっとこのお二人の嫁入りのほうが、この弁当箱も大事に扱われ喜ぶことでしょう。
折角なので無理言って、写真だけ御願いして撮らせてもらいました。





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 ● 哺乳瓶    ガラス製   長さ150×巾75×高さ65ミリ

別の店でアメリカ製のブリキの声帯楽器、カズーにしようかどうか迷ったけれど。
いずれもワンコイン(500円)ながら、結局選んでみたのが、このちょこっと昔の哺乳瓶。
ラベルが破損しておりメーカは不詳、文字は数字の陽刻のcc表示<容量200cc>。
”△に1”印が本体にも確認できるので商標印なのかもしれない。
オレンジ色のゴムパッキンは経年劣化でパリパリに崩壊状態、なかにビニール製の吸い口用のストローが付いており、口金は金属製の蓋である。
いちおう200ccの容量を入れて、写真の様に寝かせてみても中からはこぼれ出ない仕様である。
口金にストローを挿し、寝酒を愉しむことも考えたけれど、すでに吸い呑みがあるんでその必要はなし。
はて、どう使うべきか。
この齢にして赤ちゃん返りの哺乳瓶に手を出してしまったのも、本日は生誕記念日とはいえどもあまりにキモイ。




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 ● 喜多院でみた奉納絵馬

古くからの和算の奉納額の例はしっているけれど、これは小絵馬の絵馬所にあったもの。
菅公の絵馬も奉納されているから、学業成就・合格祈願のミラクルマジックにあやかってか、どうやら地元の中学生が自分で問題を程して解いているタイプの絵馬。
ブームなんですかね
真ん中の三角形のx問題は、「三角形の内角の和は180度」だから、自分もふじみの高校ぐらいは入れそう




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 ● 南院跡地

 ・・・・・・明治2年の神仏分離令により廃仏毀釈運動が起こり、喜多院、中院は残り、南院は廃寺隣ってしまいました。
南院の遺跡は小仙波町5丁目に集められましたが、風化が進んでいる状態です。
寂しそうにたたずむ石仏から、「これ以上傷みたくなーい!」と訴えて見えますが、ここを行き交う学生、観光客が見て見ぬ振りをして通りすぎるのはとても残念です・・・・・・

解説には上記のようにありましたが、毎回なにかとしっかり気に留めております。




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 ● これでうちの哺乳瓶も3つ目となりました

今回のニューフェイスが時代的にも一番新しいタイプです。
以前から持っている哺乳瓶には、分量等朱字で書かれていますが、この文字も経年劣化で拭けば消えてしまうという脆さです。
その点今回入手した哺乳瓶はレリーフ数字のためその心配はなし、せめて忘れ肩身の商標シールは、そのまま残しておくとしましょう。




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 ● 哺乳瓶は花器として使用

誕生日ながら、この齢でやはり哺乳瓶を用いた酒盛りは余りにも大人気ない。
口金に付くストロー穴に上手くドクダミを挿して、一輪挿しにしてみます。
置くもよし、掛けるもよし と、こんなかんじです。





久しぶりにママチャリでのよい運動どなりました! (^^)  




  1. 2019/05/28(火) 19:15:02|
  2. うつわ
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457 てのわ市 2







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 ● 第2回 てのわ市      都立武蔵国分寺公園

5月としては異例の真夏日。
しっかり夏の装いで、昨年につづき”てのわ市”へ行ってみました。





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 ● ライブに絵本、古本など




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 ● ショップ販売では、やはりジャンクものに目が入ってしまう

左中; 針金の網は、火鉢や炬燵で使う火屋(ホヤ)でしょうか。
左上; 型ガラスの金魚鉢は子どもの頃に使っていたものと同じタイプ。
右上; 古道具を上手く組み合わせて作ったオリジナルの照明器具は1万円。




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 ● 地場野菜、クラフトのショップも充実

左中; コンクリートがこびり付いた鋤簾(ジョレン)300円は、一瞬花器に良いかも・・・・・・
と、錆びモノ好きの気を惹いたけれど、またこんなものを増やしてどうすると結局パスすることに。



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 ● 彩り鮮やかなビーサンが目を惹く

ここ数日は30度を超える毎日で、完全に短パン、サンダルの装いです。
カラフルなビーサンは見ていて楽しい、オリーブの木の俎板(左下)は庖丁のあたりはどうなのかなぁ。
日本の樹種に見られないオリーブの独特の杢が美しい。




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 ● 皿     ブリキ製      径105×高さ15ミリ

錆サビの鋤簾の先っちょは諦めたけれど、結局この日買ったのも錆びたブリキの皿となる。
中央には、どでーんと博物館のような東京勧業博覧会場の建物が描かれている。
明治を迎え、近代国家として開国華やかしきころの博覧会のイヴェントを祝う記念のお土産品でしょうか。
ゲートの向こうの中庭に噴水が覗き、和装、洋装姿の豆のような人々が描かれていて。
裏面のメッキの剥げ具合がなんとも佳い味をだしています。

お店は、新小金井街道、学芸大の並びにある”アムコカルチャー&ジャーニー”
和物の陶製コースターなどと一緒に並んでおり、このブリキ皿は300円。




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 ● 東京都立多摩図書館

都立武蔵国分寺公園に隣接する、近年開館したこの図書館にはじめて行ってみた。
雑誌をはじめ凄い蔵書の量に驚かされる。
ここなら一日いても十分な施設です、少し遠いけれど今度は時間をつくってじっくり利用したいものです<ちなみに一般利用者には本の貸し出しはしていません>




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 ● ブリキ皿のおろし飲み

今回買ったブリキ皿は、結局ワイン瓶の敷皿に使ってみることに。
『大宮エミーのなんでコレ買ったぁ?!』を読みながら、鰹のタタキ(バルサミコ風味)と鶏肉のソテーで昼飲みしてみました。

うちにあるモノもガラクタばかりで”なんでコレ買ったぁ?!”と思うものばかりで笑えない。




しっかりと夏日です!! !(^^)!   




  1. 2019/05/26(日) 22:39:03|
  2. うつわ
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456 武蔵國の籠と紙 2






昨年にひきつづき、籠と紙の展示を観に行ってきました。<2019年5月18日>





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 ● 武蔵國の籠と紙 2          Space KOH 西東京市

会場にての竹細工製作    関田徹也



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 ● 会場風景

今回の展示では、関田さんによる秩父地方の伝統的な竹縄(タカナワ)が新たに製作販売されています。
関田さんの小正月の飾り物のケズリバナなども、昨年同様に展示されていました。
照明具など手漉き和紙職人である北村春香さんとの共同作品も充足されていました。





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 ● 会場風景

会場にはさまざまに加工された和紙商品も充実しています。
一般社団法人東京和紙 「東京産の原料、東京の水、東京の職人でつくる東京和紙」の立ち上げにも参加された北村さんの資料のなかで目を惹いたのが、むかしの軍道紙作りの写真(右)

翌日はギャラリートークの日ながら参加できず残念ながらも、それでもお二人と少しお話しできて嬉しかったです。




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 ● Lighnt Projiect BUSHU によるコラボ照明作品”YUMI(弓)”

『武州のあかりプロジェクト』により、デザイナーがトップダウンで制作指揮を執るのではなく、素材を知り尽くした職人とデザイナーのディスカッションから新しいものを創るという、和紙職人、竹細工職人、デザイナーとの三者のコラボによる照明作品が生まれました。
その製品名も”YUMI 弓”
曲線状に曲げた竹籤の羽根の一枚一枚は、専用型による紙漉き仕上げとなっています。
型漉きならではの、独特な溜め漉きのバリが羽根の周辺に現れて、柔らかな雰囲気を醸し出し美しい。
羽根で出来た笠は、風を受けると微妙に回転運動が起こり、そんな点も照明具のアクセントとなっていました。




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 ● 高幡不動尊ござれ市         東京都日野市

翌日の第三日曜日は、久しぶりに高幡不動の骨董市へ行ってみました。
なにか他所の催事と重なっているのか、出店数もいつもの6~7割程度ととても閑散としています。
骨董センサーもすっかり萎えており、とくにめぼしいモノはないものの、見ていくとなんとなく衝動買いしてしまいます。

今回、いつもながらのガラクタ漁りで購入したのが、服地の糊置きのための染め型紙と、用途不明な医療器具などです。




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 ● 染め型紙     紙に渋引     235×410ミリ 240×420ミリ

染色被服関連はあまり詳しくありませんが。
ただ布そのものは単純に見ていて綺麗なので、衣服として身に纏うことはしないものの、一応結構好きなジャンルです。

布もの関連としましては、以前このブログの
164 型紙の美 <江戸小紋> や、 219 多摩散歩 <東京手描き友禅> でも紹介しました。
展覧会を通じて得た、まめ知識ながらも、モノが作られる工程はやはり見ていて面白い。

この1月に札幌の友達から突然連絡があり、知人関連で東京の江東区にあった江戸小紋の染色屋が廃業して道具を処分するから、貰いに行かないかという誘いがありました。
どんな道具が使われていたのか興味深々でしたが、残念ながら折り悪く時間が得れず、その話しは流れてしまいました。

頭の片隅に、そんな思いが心残りとなっていたのか。

今回、やきものを専門に扱うお店に20枚ぐらい束にされて放されていたのが、これらの小振りな染め型紙でした。
型紙の類は、骨董市で並んでいる物品のなかでも、特に目新しいものではありませんが、一枚300円という値段が結構お得なかんじです。
これらの型紙を一枚一枚捲っていくと、動物や草花を意匠的に配した流麗で大胆な絵図はなく、同じ幾何文が無数に連続していく地味なパターンばかりです。
それでも、一つの模様が数ミリにしかならないものがかっちりと規則正しく連続していく、これら微塵文の小紋の手彫りの技術は、職人技としての技術の正確さを感じさせ惚れ惚れさせられます。
趣味で水彩画を長らくやっているという店主に伺うと、これらの型は競りの抱き合わせでおまけに付いてきたものだから出所は不明とのこと。
今回入手した一枚には、「京都二条□□・・・・」の印がありますが、それがはたして工房印なのか、製作者印なのかも不詳のままです。

今後継承の面でも失われていくだろう職人の技術を敬して、やはりもったいなくおもい衝動買いしました。
2点で500円におまけして貰いました。

型紙を透過して流れる陰影を楽しむための、照明具の部材に転用加工することも考えましたが。
まずは、手に取りしげしげとその刀彫りの模様を楽しむことにします。




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 ● 医療器具      長さ247ミリ

細々した医療器具の類も、骨董市であたりまえに見かけるアイテムです。
近頃興味のある手にする道具の関係で、ジャンク専門の店の木箱に一括されていた医療器具のなかから3点ばかり選んでみました。 <1個200円>
少し前の時代の器具なのか、その仕上げも金属にクロムメッキが施されています。
いずれもメッキが剥がれて結構錆びてはいますが、ステンレス製と異なりその錆び味も楽しめて、良しとしましょう。


このハサミのような器具の用途は何なんでしょうか。
体部に触れる部分には当たりを良くするためか、ご丁寧に骨材が象嵌されています。
挟む部分には、金属骨材ともども斜めに無数のギザギザの切れ込みがついています。
握りの下には鋼材のラチェットが付き、ここで挟んだまんましっかりとその位置で固定出来る機構となっています。





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 ● 医療器具      長さ210ミリ

こちらのハサミには、虫のクワガタのような鋭い歯が2対ついています。
握りの上部には、4段階に固定具合が調整できる溝が彫られています。
こちらも用途不明の器具です。




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 ● 医療器具      長さ313ミリ

こちらの器具は、いわゆるキャリパーでしょうか。
身体の巾などを測る尺といえそうです。
接合部分には半円形板が付き目盛がふられています。
携帯性を考慮してか、脚を畳める構造です。
目盛りの矢印の元には十字(赤十字)が付いた意匠で、そんなちょっとした点も医療器具っぽい雰囲気を十分に漂わせることの一役となっています。

そういえば近頃、こんな器具で人体を測定している映像をどこかでみたような・・・・・・・。

思い出しました。

北欧で近代化の時代にあって、先住民族であるサーミ人の歴史をテーマに描いた映画、『サーミの血』にありました。




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 ● 上;北欧映画『サーミの血』より

『サーミの血』  アマンダ・シェーネル監督   スウェーデン、ノルウェー、デンマーク   105分  2016年

 ** サーミはノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアに住居する先住民族。
トナカイの遊牧をはじめ、狩猟、漁労、農業などさまざまな生業を営んできた。
サーミは上述の国において、同化政策やキリスト教化のなかで抑圧されてきたことでも知られる。


映画では、大地の下に住むものからのサーミへの贈り物といえる歌;ヨイクが度々唱われ、質朴でどこか韻を踏んだその歌がこころに響き渡り、とても印象的でした。
写真は、主人公エレ・マリャの少女時代、スウェーデンの医師による身体計測の場面。
医師によるこの計測場面は、サーミの民族としての人権を踏みにじる強引さで、心痛ましい気分にさせられます。
今回は器具の使い方を中心に観察。
同じくキャリパーのような医療器具を用いていますが、こちらのものには脚の途中に板状の物尺が付いていて、数値の確認がより明確に簡便にできそうな構造でした。





細々道具が、やはり面白い!!  !(^^)! 



  
  1. 2019/05/20(月) 14:18:02|
  2. 雑具
  3. | コメント:0
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